無人島「猿島」の北側で伝説を感じる。

日蓮が避泊したといわれている日蓮洞窟の画像21

日蓮が避泊したといわれている日蓮洞窟

猿島要塞を見学した後は、猿島の北側に行き猿島を取り囲む海や猿島の各伝説を感じとって欲しい。猿島公園ガイド協会公式ホームページによると、猿島には大きく3つの伝説があるらしい。そのひとつ「日蓮伝説」は、おもしろい。要約すると、1253年(建長5年)、日蓮上人が鎌倉に布教へ行く途中、海の潮の流れが速く船が思うように進まなかった。さらに、強い風と大きな波で船底に穴が開いてしまったので、船の舳先に立って日蓮上人がお題目を唱えると、船底の穴がふさがれ浸水がおさまり船はいつしか猿島へ漂着していた。そこに白い猿が現れ、陸地の方を指さし、猿島から出て陸へ行けということだと思い船で海を再び渡った。石渡左衛門尉と言う人が、前夜東の方から偉い人が来るとのお告げを受け、高台から海を見ていて日蓮上人が船でこちらに向かっているのを確認。浜に降りて待っていたが船が近づいてこないので石渡氏は海に入り日蓮上人を背負って上陸させた。上陸した日蓮上人が、石渡氏の足を見ると血が出ていた。「その足の血はどうしましたか」と聞くと「サザエの角で切りました」と石渡氏は答える。そこで日蓮上人が再びお題目を唱えると、このあたりのサザエは角がなくなったというお話。 加えて、船底の浸水がなぜ止まったのかと見てみると、大きなアワビがついていて日蓮上人を救ったことがわかったとのこと。このあと日蓮上人は、石渡氏の世話をうけながら21日間米が浜(猿島から北西にあたる横須賀の海沿いあたり。地名は、今でも残っている。)の洞窟にこもった後、鎌倉へ向け出発したとのこと。この島が「猿島」と呼ばれる所以で、大きなアワビとサザエが横須賀中央駅のそばにある龍本寺に伝わっている。 信じるかどうかは、人それぞれだと思うが、このような伝説を事前に調べ猿島見学に行くと各見学ポイントが面白く思えるのが不思議だ。(サザエは、海洋生物的に言えば、個人的に違うと思うけど?)

無人島「猿島」のみどころ(4)

ヨネノ根の磯

ここの岩場が、ヨネノ根の磯。遠く千葉から横須賀の北部、さらに観音崎までが見える。船舶通行量日本一の東京湾を行き交うさまざまな船を、ここから見るのも楽しい。また、釣り人には格好の釣りポイントらしい。

ヨネノ根の磯の画像39

ヨネノ根の磯

日蓮洞窟

ヨネノ根の磯へ降りる階段の途中に、海抜4mほどのところに間口7m奥行き30mほどの洞穴がある。これが、日蓮洞窟。1253(建長)年、日蓮が避泊したといわれている洞窟なのだが、弥生時代の住居跡でもある。ここから弥生土器と人骨が出土されたとのこと。この洞窟が、江の島の岩穴まで続いているとの伝説もある。真実はわからない?伝説をはじめに知っておくとおもしろいポイントだと思う。

日蓮洞窟の画像40

日蓮洞窟

ヨネノ根

ここの岩場が、ヨネノ根。この辺りは猿島の北端に当たる。日蓮上人もここから猿島に上陸したのだろうか? パンフレットには、クロダイ、アイナメ、カレイ、スズキなどが釣れる絶好の釣りポイントらしく春と秋には、フィッシング大会が行われる。 今回は、冬の磯場だったので海面が島まで上がっていたが夏は、磯遊びができる場所でもある。

ヨネノ根の画像41

ヨネノ根

砲台跡

この円形のコンクリートが砲台跡。これが見学した2座目の砲台跡。これと同じような鉄筋コンクリート製円座の砲台が猿島には5座あり、8cm高射砲が配備されていたとのこと。終戦後には、進駐軍により解体され砲台だけが現在残されている。

砲台跡の画像44

砲台跡

砲台跡

これが、3座目の砲台跡。鉄筋コンクリート製の円形の砲座が5座造られた一つ。ここも、終戦と共に進駐軍に解体され高射砲を固定していたボルトを見ることができた。

砲台跡の画像50
砲台跡の画像46

砲台跡

広場(台場跡)

この広場は、台場跡。台場(だいば)は、幕末に設置された砲台で要塞の一種。幕府や各藩では、異国船の打払いを企図したものが多く海岸や河岸に築かれるものが多かった。弘化4年(1847)幕府は、猿島に台場を建設し、川越藩に防備を任せた。島内三箇所に台場を設けたが、島頂部に大輪戸台場、島北部に亥ノ崎台場、島東部に卯ノ崎台場を設けた。写真付近の斜面一帯は、卯の崎台場だった。

広場(台場跡)の画像47

広場(台場跡)

オイモノ鼻へ下る

台場跡の周囲は柵で囲まれていて、その一部から金属製の階段で海岸に降りることができる。 階段を真っ直ぐに降っていくとオイモノ鼻の岩場に行ける。パンフレットでは、広めの岩場になっているのだが見学したのが冬(1月)なので、 潮が満ちていてそれほど広い磯との感じは受けなかった。夏は、もう少し広い磯場になるのだろう。

オイモノ鼻へ下る画像48

オイモノ鼻へ下る

オイモノ鼻

オイモノ鼻は、猿島でも格好の釣り場。遠浅になっていて、春にはクロダイの釣り場として有名。アイナメ・カサゴ・カレイなども釣れるらしい。1月でも何人かの人が釣りをしていた。写真は、冬の時期の写真なので磯があまり見えないが、夏場になれば、子どもなどが磯遊びを楽しめる磯場にもなる。また、海岸のいわばには、長方形の岩で積み上げた壁などがあり、猿島要塞の一部の建築物跡らしい部分も見られる。

オイモノ鼻の画像49

オイモノ鼻

第一砲台の関連施設のトンネル出口

写真の右側に見えるトンネルが愛のトンネルの出口に抜ける第一砲台の関連施設へのトンネル。このトンネルは、第一砲台の関連施設から抜けると写真のようにトンネル出口が直角に曲がっていて、海上から見ないような工夫がされている。要塞なので、戦争の知恵があちらこちらに見受けられる。

展望台に向かうの画像51

展望台に向かう

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