〜子どもとの海外旅行をもっと自由に! レンタカーを活用した海外旅行プラン創りのすべて〜 「子どもと行く海外旅行プラン創りの完全ガイド」

海外旅行イメージMain画像

第5章 現地環境の把握

5-1)ATM・銀行

海外旅行は国内旅行と異なり、現地でできるだけ多額の現金を引き出さないよう心がけることが基本です。 第4章で説明したとおり、海外ではクレジットカードやデビットカードの利用が大前提となりますが、現地通貨の現金が必要になる場面は少なくありません。 たとえば、チップや現金払いのみ対応している店舗、屋台、交通機関などでは現金が求められることがあります。 事前にある程度の現地通貨を準備しておくのが理想ですが、旅行中に不足する場合もあります。 現地で現金を調達する方法としては、

①クレジットカードやデビットカードのキャッシング機能を使う

②日本の銀行口座(国際キャッシュカード)から現地通貨を引き出す

③現地の銀行や両替所を利用する

の3つが代表的です。本章では、最初の①、②に関係するATMの利用について解説し、その後に③について解説します。 さらに、本章ではATMや銀行だけでなく、郵便・通信インフラ、医療機関、スーパーやドラッグストア、交通事情、緊急体制、日本大使館・領事館の情報まで、子どもと行く海外旅行で知っておくべき現地環境を網羅的に紹介します。 これらを理解しておくことで、安心・快適な旅の基盤を整えることができるかと思います。

ATMの画像

海外旅行中、①と②を実施するには現地ATMを利用して現金を引き出すことが主な手段となります。本節では、海外ATMの基本的な利用方法について解説します。 操作には一定の事前知識が必要なため、安心して利用できるよう使い方を確認しておきましょう。
海外で現地通貨を引き出せるATMには、大きく分けて「国際ブランド対応ATM」と「金融機関ネットワーク対応ATM」の2種類があり現在ではどのATMも両方に対応しているATMが主流になって来ています。 ほとんどのATMは現地語と英語のメニューが用意されており、日本人旅行者が多い国では日本語メニューが選べるATMも増えてきました。 ただし、日本語対応だとしても言語に頼りすぎず、 ATMを利用する際、まず確認すべきなのは、自分のカードがそのATMで使用できるかどうかです。 ATMには、対応するカードブランドのマークが表示されていることが多く、例えば: VISA → 「VISA」マーク、または「PLUS」マーク、MasterCard、JCB → 「Cirrus」マーク、 Maestroデビットカード → 「Maestro」マーク(MasterCard系)、 デビットカードもクレジットカードと同じブランドのATMで利用可能です。 旅行前にカード会社に問い合わせ、どのATMで使えるかを確認しておくと安心です。 カード会社や銀行のウェブサイトには、写真入りで操作を解説したガイドや説明書が用意されていることが多いので、入手しておくと良いでしょう。 海外のATMは、都市部では24時間365日利用可能な場合が多く、曜日や時間を気にせず現金を入手できます。 ただし、発展途上国や地方では、防犯や資金管理の理由からATM内の現金量が少なく、高額の引き出しが制限されている場合もあります。 必要に応じて、都市部で計画的に引き出すよう心がけましょう。 また、銀行でも現地通貨の引き出しの手続きができるのですが、現地に駐在していない海外旅行者は原則銀行の窓口は、言葉の問題や手続きが複雑になる傾向がありますので利用しない方が良いかと思います。

主なカードブランドの対応する金融オンラインシステム

VISA

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PLUS(プラス)

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Mastercard

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Cirrus

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JCB

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Cirrus

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American Express

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AMEXのカードはキャッシング機能がない
・エキスプレス・キャッシュは終了済み
・カードローン契約なら可能な場合も
・提携カードがあれば提携側カードのキャッシングが可能な場合も

海外ATMの使い方

ATMのイメージ画像

海外ATMの基本的な使い方は、日本のATMと大きくは変わりません。 ただし、海外のATMは年々進化しており、メニュー画面やボタンの配置が変わることがあります。 また、渡航先の国や地域によって操作方法や仕様が異なる場合も少なくありません。 そのため、海外旅行前には、渡航先のATMの操作例を、信頼できる公式ホームページや資料で事前に確認しておくことをおすすめします。 参考例として、「国際ブランドに対応している金融機関のATM」での一般的な操作例を以下に挙げます。 また、VISAの公式サイトでは海外ATMの操作を紹介する動画が公開されており、操作手順を理解するのに役立ちます。

  1. ① ATMに記されているマークを確認。自分のカードが利用できるかを確認する

  2. ② ATMカードを挿入する。

  3. ③ 画面を見て使用言語を選択する(英語or日本語or使いたい言語)

  4. ④ 暗証番号(「ENTER PIN」)を入力する

  5. ⑤ 取引内容(「SELECT TRANSACTION」)を選ぶ

    ※引き出し:「WITHDRAWAL」
    ※入金  :「DEPOSIT」
    ※振り込み:「TRANSFER」
    ※残高確認:「BALANCE」

  6. ⑥ 口座の種類を選ぶ(「SELECT SOURCE ACCOUNT」)

    ※当座預金:「CHECKING」
    ※普通預金:「SAVINGS」
    ※クレジットカード:「CREDIT」

  7. ⑦引き出し金額を現地通貨単位で選ぶ(「SELECT DISPENSE AMOUNT」)

    ※たいていのATMは、メニューに引き出し金額が表示されるので引き落としたい金額を選べばよいのですが、 メニューに引き引き出したい金額がない場合は、「Other Amount」を選び金額を入力します。

  8. ⑧ 取引の継続か終了の選択(「TRANSACTION」)

    ※継続は、Yes
    ※終了は、No

  9. ⑨ 現金、カード、明細書を受け取る

    ※必ず「カード」と「明細表」は受け取ってください。現金を引き出せたことだけに集中しカードの受け取りを忘れると大変なことになります。 カードを取っていない場合は大抵、警報的な音やコメントが流れるのですが海外では聞きそびれてしまうことが多いです。
    ※終了は、No

ATMに関する主な英語

ATM
ATM(Automatic Teller Machine)の略。

PIN
Personal Identification Numberの略で暗証番号の意味。 他にも、ID CODE・SECRET CODE・PERSONAL NUMBERなどの表現もされる。

INCORRECT PIN
暗証番号が間違っていますの意味。

WITHDRAWAL
現金引き出しの意味。 他にも、GET CASHなどの表現もある。

TRANSFER
振り込みの意味。

DEPOSIT
預け入れの意味。

BALANCE INQUIRY
残高照会の意味。

ENTER
ENTERボタンを押す(入力)・確認の意味。OK / YESとの表記もある。

CASH
現金の意味。

CREDIT
クレジットカードの意味。

CANCEL
取消の意味。

CONFIRM
確認の意味。

CLEAR
訂正の意味。

SAVING ACCOUNT
普通預金の意味。

CHECKING ACCOUNT
当座預金の意味。CURRENT ACCOUNTとの表現もある。

AMOUNT
金額・合計の意味。

OTHER
その他の意味。

PLEASE WAIT
お待ちくださいの意味。

INSUFFICIENT FUNDS
預金が足りませんの意味。

LANGUAGE
言語の意味。

TRANSACTION
取引の意味。

PLEASW INSERT YOUR CARD
「カードを挿入して下さい」の意味。

ENTER YOUR PIN
「暗証番号を押してください」の意味。

SELECT DISPENSE AMOUNT
「引き出し金額を選択」の意味。

SELECT SOURCE ACCOUNT
口座選択の意味。

TAKE YOUR CARD AND RECEIPT
「カードとレシートを受け取って下さい」の意味。

SWALLOW
ATMマシンには出てこないが「カードが吸い込まれる」の意味。万が一の時に役立つ単語です。

海外ATMを利用する注意点

以下にShizwengateが考える海外ATM装置を利用する上での注意点をいくつか紹介します。

  • 夜の街イメージの画像

    海外ではATMを利用しているだけで「現金を持っている」と見なされ、犯罪のターゲットになるリスクがあります。 夜間、照明の少ない場所、人通りが少ないエリア、雑踏の中などでは利用を避けましょう。 銀行、ホテル、役所内のATMの方が、街中や路上設置のATMより安全です。 初心者は特に銀行の営業時間内や営業日に利用するのが無難です。 また、ATMマシンへの照明が十分でなかったりした場合は、他のATMを探した方が良いです。 人通りが少ない場所や夜間は、ATMから現金を引き出したところを狙われる危険が高くなります。 初心者の人は、銀行の営業外時間や休祭日のATM利用は、できるだけ避けた方が無難です。 何らかのトラブルに巻き込まれた場合に、銀行側や周辺の人が助けてくれる可能性が極めて低くなります。 また、ATMのカード挿入口に「スキマー」と呼ばれる磁気情報を盗み取る装置がないか、防犯カメラが確実に手元に向いていないかなどを確認することも大事です。 ATMの外観を比較することで不審な装置がないかを見ることも身に付けておきたい知識です。 日本国内と違うことを肝に銘じて海外ATMを利用して欲しいと思います。 暗証番号入力時に手元を自分の手で隠すことも被害対策のひとつです。

  • あせるのイメージ画像

    操作がわからなくなったときや動作がおかしい場合など不意の事態になったならば、冷静になり落ち着いて取り消し(CANCEL)を押してやり直すことです。 慌てしまい、時間が経ち最悪の場合は、カードが吸い込まれカードが回収できなくなる恐れもあります。 海外ATMの利用は、落ち着いて操作をすることが肝心です。 落ち着いて操作ができるよう、海外ATM操作の事前習得や海外現地でのATM概観観察は必ずしておくことをおすすめします。

  • 盗み目のイメージ画像

    海外ATM利用で気をつけたいことは、「周りの人に注意する」ことです。 日本国内でのATM利用に慣れている人は、不思議に思うかもしれませんが本来は日本も同じなのです。 第三者にATM操作を見られないようにすることは大事な行動なのです。 当然、取り忘れにも注意が必要です。想像できない人もいるかと思いますが現金を見られてしまうと持っていることが分ってしまい強盗に遭う確立が高まります。 少額でもお金のために、人に害を加えて盗むような治安の悪い国はいくらでもあります。 海外ATMの利用は、迅速な操作と現金を人目に触れさせぬようにすることが基本です。 カード、レシートなどもすぐにしまうことが大事です。

    周囲に不審な人や物を見た場合は、すぐに取引を中止しすぐに離れることを頭に入れておいてください。 現金を奪わなくても、暗証番号をのぞき見して後からカードを奪い引き出される事件も多く発生しています。 コンビニ内にあるATMでも、店員さんさえ信用しない方がいいこともあります。 ATMの操作がわからず「操作方法を教えてあげましょうか?」と声をかけられた場合や警察官やガードマンから「今そのATMを使っただろう。本人のカードかどうか確認するので暗証番号を言ってみろ」と言われた場合は、原則断ることが必要です。 どうしても対応背ざる負えないときは、警官を呼んでから警官立ち合いのもと対応すべきです。 国内では考えられない事件が多発しているのが海外です。 カード番号と緊急連絡先を控えておき、問題があればすぐにカード会社に連絡できるように準備しておきましょう。 カードをスキミングする犯罪グループは、暗証番号を押している様子を撮影するカメラとカードリーダにみせかけたスキミング装置で簡単にスキミングを実行します。 周囲に変な人がいないか確認することは、海外ATMを利用する大事な行動です。

  • 吸い込まれイメージ画像

    海外ATMでは、暗証番号を何度も間違えたり、機械に不具合があったりすると挿入したカードが出てこないことがあります。 このような場合は、キャンセルを押してみることです。 それでもカードが出てこない場合は、すぐに当該ATM装置を管轄している銀行や会社に問い合わせもしくはに行くことです。 多少の現地語もしくは英語での会話が必要ですが、管轄している銀行などの担当者に事情を説明しキャッシュカードを取り戻しましょう。 また、カード会社の緊急サービスを利用するのもひとつの手です。 管轄している銀行や管理会社が営業していない時間は、開くまで待つしかないかもしれません。 このようなことにならないためにも、前に説明した通りなるべく銀行の開いている時間にATMを利用することをおすすめします。 また、お金が出てこない場合なども、同じくATM管理会社(銀行など)にすぐに返還・返金交渉をすることも大事です。 帰国してからでは、解決が難しい場合が多いです。 管轄している銀行や会社が遠い場合は、携帯電話等で連絡、交渉しなければならないので語学力が必要になってきます。 ここでもカード会社の緊急サービスを利用する方が良いかと思います。 もし返却してもらえない場合には、飲み込まれたカード会社のヘルプデスクに早急に連絡することも忘れないでください。

5-2)現地通貨と両替

現地通貨と両替のイメージ画像

海外旅行中、現地通貨は交通費、食事、買い物、チップ、緊急時など、さまざまな場面で必要になります。 ここでは、現地通貨を入手する方法と、それぞれのメリット・注意点、そして現地通貨の使い方・注意点について解説します。

現地通貨の入手方法

現地通貨の入手方法として以下の4つが考えられます。それぞれに長所と短所がありますのでこれらを理解して臨機応変に入手方法を選択してください。 両替の際の注意点は以下になります。

日本国内での
両替

長所

到着後すぐ使える

短所

レートが割高

現地の空港・ホテル
での両替

長所

便利

短所

レート・手数料が高め

現地の銀行・両替所
での両替

長所

比較的良いレート

短所

営業時間やパスポートの持参が必要

クレジット・デビットカード
でのATM引き出し

長所

現地レートで必要な分だけ入手可能

短所

手数料、カード対応の確認が必要

現地通貨の利用の仕方と注意点

現地通貨と両替のイメージ画像

①小額紙幣・コインを準備する

タクシー、バス、チップ、自動販売機、トイレ利用など、現地では小銭や小額紙幣が必要になることが多いです。 両替時や買い物時に意識して細かいお金を用意しておきましょう。

②高額紙幣は慎重に使う

高額紙幣(例:€100札、$100札)はお釣りがない、受け取りを拒否されることがあります。小額札中心で用意するのが安心です。

③チップ文化を理解する

国によってはチップが必要です。レストラン、ホテル、タクシーでの相場を事前に確認しておきましょう。

④盗難・紛失対策を徹底する

財布を2つ用意し、必要最小限の現金を分けて持つ、貴重品用ポーチを利用するなどの対策を取りましょう。

⑤現地独自の支払い習慣を知る

一部の国では現金決済が主流だったり、逆にキャッシュレスが主流だったりします。現地事情を調べて、現金が必要な場面を把握しておきましょう。

⑥買い物時は金額をよく確認する

物価や桁の感覚が違うため、支払い時に桁を間違えないよう注意しましょう。また、釣り銭をきちんと確認する癖をつけることが大切です。

5-3)郵便局・郵送サービス

郵便局・郵送サービスのイメージ画像

海外旅行中、郵便局や郵送サービスは、荷物の発送、記念品の郵送、国際小包の利用、また場合によっては緊急時の連絡手段としても役立ちます。 ただし、海外の郵便制度やサービス内容は国によって大きく異なるため、事前の確認が重要です。
各国の郵便事情と注意点は、以下になります。

海外旅行中、荷物が増えすぎて持ち帰れない場合や、お土産や大きな荷物を先に日本へ送っておきたい場合には、国際宅配便サービスが非常に便利です。 国際宅急便(ヤマト運輸)、EMS(国際スピード郵便)、DHL、FedEx、UPSなどの国際宅配便がありますが、送る物の大きさや重量により高額になる場合もあるので気を付けてください。

5-4)電気(コンセント)・水道

海外の電気イメージ画像

海外旅行では、現地の電気や水道環境が日本と大きく異なる場合が多いため、事前の知識と準備が必要です。 以下にそれぞれのポイントと注意点をまとめます。 電気と水道は、海外旅行においても生活の基盤となるものです。 電気や水道の利用は日本と大きく異なることを理解し、事前の確認と備えが旅の安全と快適さにつながります。 子ども連れの場合は特に、危険がないよう慎重に確認し必要なものを事前に準備してから出発しましょう。

電気(コンセント)

海外の電気で一番頭に入れておきたいことは、日本と電圧・周波数が違うということです。 さらに、コンセント形状が異なることが一般的です。 日本の電圧は100Vで周波数は東日本は50Hz、西日本は60Hzですが、海外では110V、220V、240Vが主流で日本の家電を差し込んだとたんに壊れます。 周波数も50Hzまたは60Hzの国があり、使用する機器が対応していないと故障や事故につながる可能性があります。 海外のプラグ・コンセント形状も様々な物があり国よってはプラグも統一されていない場合があります。 プラグには、A、B、C、O型など多様な形があり日本のA型プラグがそのまま使える国は限られています。 そのため、電圧、周波数に問題がないにしても旅行時には変換プラグがあると重宝します。 しかし、基本は海外では、日本の電化製品は利用しない方が無難です。 多くの国で利用しなければならないスマートフォンやノートPCなどの充電器には「100V-240V対応」となっていることが多く、変圧器は不要な場合が多いです。 しかし、ドライヤー、電気ケトル、シェーバーなどは電源環境の確認が必須になります。

電源環境の確認項目
  • 渡航先の電圧・周波数・プラグ形状を調べる
  • 必要に応じて変換プラグ・変圧器を用意する
  • ホテルや宿泊先のコンセント情報も事前にチェックする
  • 誤った使い方をすると発火や感電の危険があるため、使用前に必ず仕様を確認する

水道

海外の水道イメージ画像

海外における水道環境には特段の留意が必要です。 日本は、世界でも数少ない「水道水を直接かつ安全に飲用できる国」のひとつであり、この点において例外的といえます。 そのため、海外で日本と同様の感覚で水道水を利用することは、感染症や消化器系疾患のリスクを高める行為にあたります。 実際、海外旅行中の体調不良の原因として、水道水による細菌・ウイルス感染がしばしば報告されています。 滞在中は、現地の水道水を直接飲用することは避け、市販のボトルウォーター(ミネラルウォーター、飲料水)を用いることをおすすめします。 さらに、歯磨きやうがいの際もミネラルウォーターを使用するなどの配慮が必要な場合もあります。

海外での水道の注意点
  • 飲料水としての安全性

    日本の水道水は世界でもトップクラスの安全性ですが、海外では「水道水は飲まないほうがよい」という国が多くあります。 特に東南アジア、南米、アフリカ、中東などでは生水は避け、市販のミネラルウォーターを使用してください。歯磨きやうがいの際も注意が必要です。

  • シャワー・お風呂の注意

    水圧が弱かったり、温水の出が悪い、急に水温が変わるなど、日本では考えにくいトラブルが起こることがあります。 特に小さい子どもがいる場合は、最初に水温を必ず確認し、やけどを防ぎましょう。

  • 衛生面の意識

    水道設備が古かったり、浄水設備が未整備の地域では、手洗いや食器洗いにも注意が必要です。場合によってはアルコール除菌やウェットティッシュを活用すると安心です。

  • 氷も注意

    高級レストランなどでは問題がないのですが、露店やローカル食堂などの衛生条件が低い店では、飲料に含まれる氷で腹痛を起こすことがあります。 外人旅行者は、現地の水道に対し免疫がとても低いために氷も要注意です。

5-5)現地の生活習慣

現地の生活習慣イメージ画像

海外旅行では、現地の生活習慣を理解し尊重する姿勢がとても重要です。旅行者である私たちは、訪問先の国では「外国人」であることを忘れてはいけません。 言葉が違うように、文化や習慣も国によって大きく異なり、特に宗教に基づく習慣は、その国の人々の生活や価値観を深く支えています。 例えば、シンガポールではガムの持ち込みが罰金対象となったり、タイでは子どもの頭を触ることがタブーとされています。イスラム教圏ではアルコールや豚肉の摂取が禁止され、宗教施設の見学時には服装や行動に特に注意が必要です。 こうした違いを知らずに行動すると、トラブルの原因になるだけでなく、現地の人々に不快感を与えてしまう恐れがあります。 また、宗教に関連する事柄には、むやみに立ち入らないことを大原則とし、宗教施設を訪れる際は「見学させてもらう」という謙虚な気持ちを持つことが大切です。 親子でこれらの習慣や価値観の違いを学ぶことは、貴重な異文化体験となり、今後の大きな成長の糧にもなるでしょう。 何が常識で何が非常識化の判断基準がなんであるかを理解するヒントになるかもしれません。 旅行前には最低限のマナーやルールを調べ、柔軟かつ前向きな心構えで臨むことで、異文化交流をより楽しめます。
以下に習慣の相違の例を上げておきます。各国にはこの何倍もの生活習慣があり面倒化もしれませんが可能な範囲で訪問国の文化や習慣を調べていただければと思います。

5-6)スーパー・ドラッグストアー

スーパー・ドラッグストアーのイメージ画像

海外旅行中、スーパーやドラッグストアは日常の買い物だけでなく、旅先での困りごとを解決する心強い味方です。 食料品、飲料、日用品、薬や衛生用品などを手軽に手に入れられるため、家族旅行、とくに 海外のスーパー・ドラッグストアは、現地の生活を体験する絶好の場であり、旅を快適にする強い味方でもあります。 事前に基本のルールや注意点を知っておくことで、スムーズかつ安心して利用することができます。 子ども連れの旅行では、飲料水やスナック、おむつなどの補充にも役立つので、滞在先の近くにある店舗を早めにチェックしておくと安心です。 以前は海外のスーパーマーケットなどは日本と違い倉庫のような大きさで大きなカートをひきづりレジでは買ったものをコンベアの上において購入するスタイルに戸惑いがありましたが、 昨今の日本では、このような海外のスーパーマーケットスタイルが主流になりつつあり日本人でも戸惑うことが少なくなってきたかと思います。

海外スーパー・ドラッグストアの利用方法

  • 入口とカート・かごの使い方

    多くのスーパーでは入口付近にショッピングカートやかごが置かれています。カートはコイン式のことがあり(特にヨーロッパ)、1ユーロや25セント硬貨を差し込むと使用でき、返却時にコインが戻ってきます。 日本にも同様のスタイルが多くなってきています。

  • 商品の買い方

    単品物を購入する場合は、カートに入れればよいだけなので日本とほぼ同じで問題ないかと思います。 戸惑うのは、量り売りの野菜や果物かと思います。日本でも最近では多くなってきましたが海外では食材コーナーで多く見ることができます。 量り売りの野菜や果物は自分で袋に詰めた後、専用の計量機で重さを測り、値札シールを貼る必要がある場合があります。 これを忘れるとレジで対応できず、列に並び直すことになるので注意しましょう。

  • セルフサービスが基本

    ほとんどの国のスーパーでは、店員は自分から積極的に声をかけてくることは少なく、必要なものは自分で探し、困ったときだけスタッフに聞きます。

  • レジでの支払い

    有人レジとセルフレジがあります。有人レジではレジ係が袋詰めまでしてくれる国もありますが、セルフ袋詰めの国(アメリカ、ドイツなど)が多いです。 セルフレジは現金不可、カードのみ対応の店も増えているので、支払い方法を確認しましょう。 日本でもこのようなスタイルがかなり浸透してきましたので問題はないと思います。

  • 支払い方法

    現金以外にクレジットカード、デビットカード、電子マネーが普及していますが、国によってはチップの必要やPINコード入力が求められる場合があります。 カード利用は事前に利用可能ブランド(VISA、Mastercard、Amexなど)を確認しておきましょう。

  • 袋は有料が基本

    多くの国ではレジ袋が有料、または提供されないため、エコバッグや折りたたみバッグを持参するのがおすすめです。 有料袋は日本でもかなり浸透していますので問題ないかと思います。

注意点

ドラッグストアーのイメージ画像

  • 営業時間を確認する

    国や地域によって、日曜・祝日は完全休業、もしくは営業時間が短縮される場合があります。日本のコンビニ感覚は通用しないため、旅行前に営業日や時間を調べておきましょう。

  • 安全と防犯意識

    スリ、置き引きが多い国では買い物中も荷物に気を付ける必要があります。特に混雑する店内やレジ周辺では注意を。

  • 価格と品質を比較する

    同じ商品でも観光地周辺の店では割高なことがあります。地元の人が利用するスーパーを探すと安価で質の良い商品が手に入る場合が多いです。

  • 薬の購入は下調べを

    風邪薬、胃薬、解熱剤、バンドエイドなどの一般薬はドラッグストアで簡単に購入できますが、国によっては薬剤師の相談が必要な場合があります。 現地の薬の成分が日本と異なる場合があったり、強めの薬だったりすることがあります。 普段使い慣れた常備薬は、必ず持参する方が安心です。 特に慢性疾患の薬は、必要量を余裕をもって用意し、英文の服用説明書も携帯してください。

  • 衛生用品・化粧品は成分確認を

    おむつや生理用品、化粧品、日焼け止め、虫除けスプレーなども揃いますが、日本ヒントは成分が違う場合があります。 子ども用製品は国によって種類や成分が違うので、必ずパッケージをよく確認しましょう。

5-7)医療機関(病院、薬など)

海外医療受診の様子画像1

海外旅行中に起こってほしくないことの一つに現地病院にかかる事があります。海外旅行中に体調不良を起こしたり、ケガをして病院や薬のお世話になることは、誰にとっても起こり得ることです。特に子ども連れの旅行では、急な発熱、ケガ、アレルギー、胃腸トラブルなどへの備えが大切です。 しかし、医療事情は各国により日本とはかなり相違することを覚悟してください。 一番大事なことは、日本の保険は利用できないことです。 なので、海外旅行保険は必ず入ってください。 逆に海外旅行保険を入っていない人は、想像を超える高額な医療費がかかります。 以下に、海外での医療事情や旅行者が知っておきたいポイントを解説します。

海外の医療機関の特徴

  • 医療体制やレベルは国によって差がある

    先進国では医療レベルは高いものの、費用が非常に高額なことがあります。一方、発展途上国では公立病院の設備や衛生状態に不安がある場合があり、私立病院や国際クリニックの利用が推奨されます。 事前に申し込んだ海外旅行保険会社が推奨する病院および日本人向けクリニックを必ず事前に調べメモを取っておいてください。

  • 言語の壁に注意

    英語が通じない国や地域では、診察や薬の説明を理解するのが難しいことがあります。さきに記述した通り、旅行前に現地の日本語対応クリニックや通訳サービスを調べておくと安心です。

  • 支払い方法と海外旅行保険

    多くの国では医療費が高額で、診察や処方薬も原則「全額自己負担」です。 旅行保険で定められている、キャッシュレスで治療を受けられる提携病院を最優先に選んでください。

医療機関の利用方法
  • まずはレ相談できるところへ連絡

    具合が悪くなったときは、宿泊先のホテル、海外旅行保険のサポートデスク会社、クレジットカードなどの海外トラブル連絡先、日本大使館(領事館)、現地日本人会、ツアーならば現地スタッフに相談しましょう。 対応方法や提携クリニックなどを紹介してもらえる場合があります。 滞在国の救急電話番号、宿泊先のホテル、海外旅行保険のサポートデスク会社、クレジットカードなどの海外トラブル連絡先、日本大使館(領事館)、現地日本人会の電話番号、メールアドレスを控えておきましょう。

  • 受診時に必要なもの

    パスポート、海外旅行保険証書(保険加入証明書)、クレジットカード、子どもの母子手帳や予防接種歴(可能なら英文)を持参するとスムーズです。

  • 病院によっては予約が必要

    欧米やオーストラリアでは、かかりつけ医(GP)の予約が必要で、飛び込みでは受診できない場合があります。

  • 衛生対策を心がける

    途上国では、病院や診療所の衛生環境が十分でない場合があります。感染症予防の観点から、旅行前に必要な予防接種を済ませておくと安心です。

病院1の画像
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5-8)緊急体制(警察、救急車など)

パトカー救急車のイメージ画像1

海外旅行中は、思わぬトラブルや急病、事故に巻き込まれる可能性があります。 とくに子ども連れの旅行では、安全対策と緊急時の対応準備が不可欠です。 海外では、緊急時の対応力が家族の安全を左右します。緊急連絡先の確認、保険・大使館情報の準備、言語対策を万全にし、いざというときは落ち着いて行動することが大切です。 旅行前に家族でシミュレーションしておくのも有効です。 警察・救急車などの連絡方法、利用の流れ、注意点をまとめます。

緊急時の連絡先を事前に確認

最初に国ごとの緊急番号を調べ把握する事です。 多くの国では「警察」「救急」「消防」に共通の緊急番号があります。 旅行前に滞在先の緊急番号を確認し、紙やスマホにメモしておきましょう。

日本大使館・領事館の連絡先も控える

万一の事件・事故・パスポート紛失などでは、大使館や領事館の助けが必要です。現地到着後に所在地や電話番号を把握しておくと安心です。

警察への連絡・利用のポイント

  • 通報は落ち着いて簡潔に

    言葉の壁があるかもしれませんが、事件・盗難・トラブルに遭った場合は、場所、状況、必要な支援をできるだけ簡単に伝えます。

  • 言語サポートの確認

    英語が通じない国では、ホテルや旅行会社のサポートを頼る、または現地語の簡単なフレーズをメモしておくと役立ちます。

  • 事件後の対応

    盗難被害ではポリスレポート(被害届)が必要。保険請求や大使館での手続きに必要なので必ず取得してください。

救急車の利用・注意点

  • 救急車は無料か有料か確認

    国によって救急車の料金制度は大きく異なります。アメリカ、オーストラリアは、有料で高額になる場合あります。 ドイツ、フランスは有料ですが、保険適用が可能です。 タイ、シンガポールは、公営は基本無料で私営が有料です。

  • 救急通報時の情報

    救急車の利用時も落ち着いて対応する必要があります。 以下の内容を報告することが基本なのですが、言葉の壁がある人にとってはかなりハードな内容です。 これらの情報を現地人とほぼ同様に説明するには現地駐在しないかぎり難しいかと思います。 なので、先に上げた緊急連絡先へ連絡してサポートしてもらった方が無難かもしれません。

  • 通報後の流れ

    救急車は基本的に最寄りの救急指定病院に搬送します。同行家族はタクシーなどで後から向かうケースもあるので、通院先をしっかり確認しましょう。

病院1の画像
病院2の画像
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緊急時の予防策と心構え

  • 保険証書・クレジットカードを携帯

    海外旅行保険の連絡先や証書は必ず持ち歩きましょう。キャッシュレス対応の病院がわかっていれば安心です。

  • ホテル、保険会社などのサポート活用

    宿泊先のホテル、海外旅行保険のサポートデスク会社、クレジットカードなどの海外トラブル連絡先、日本大使館(領事館)、現地日本人会、ツアーならば現地スタッフを活用しましょう。

5-9)日本大使館・領事館・日系旅行会社

日本大使館のイメージ画像

海外旅行中に万が一トラブルに遭遇した場合、は心強いサポート先となり海外旅行者の安心を支える重要な存在です。 特に子ども連れの旅行では、トラブル発生時に迅速に頼れる窓口を知っておくことが大切です。 日本大使館・領事館、日系旅行会社は、海外旅行者の安心を支える重要な存在です。 し、いざという時にすぐ頼れるよう準備しておきましょう。 特に子ども連れの旅行では、こうした現地の支援先を知っておくだけで、万が一のときの心強さが大きく変わります。 ここでは、これらの機関の役割や利用方法、注意点を解説します。

日本大使館・領事館の役割

日本大使館・総領事館は、海外に住む・滞在する日本人の生活を守るために設置されています。 旅行者にとっても以下のような場面で重要な支援を行います。

  • パスポートの紛失・盗難対応

    仮発行の渡航書や緊急パスポートの発行手続きをサポートします。

  • 事件・事故・トラブル対応

    現地警察への相談や被害届の提出、弁護士の紹介、必要に応じて家族や知人への連絡をサポートします。

  • 病気やケガのサポート

    現地の医療機関の情報提供、入院時の家族連絡やアドバイスを行います。

  • 自然災害・政情不安時の情報提供

    地震や洪水、暴動などが起こった際には、安全確保のための情報や緊急連絡網を提供します。

大使館・領事館の利用方法と注意点

  • 事前に所在地・連絡先を控えておく

    滞在国の日本大使館や領事館の住所、電話番号、ウェブサイトを旅行前に調べ、紙やスマホにメモしておきましょう。

  • 緊急時以外のサービスは限られる

    現地でのトラブルは原則として自己解決が基本で、大使館・領事館はあくまで助言や支援、現地機関の紹介にとどまります。旅行前に旅行保険や現地の医療・安全情報を調べておくことが重要です。

日系旅行会社の活用

日系旅行会社のイメージ画像

本ガイドで解説していく内容は、主に個人が計画し、自分で手配する個人旅行を中心としています。そのため、旅行会社を利用する機会は少ないかもしれません。 しかし、いざトラブルが発生した場合、現地にある日系旅行会社は以下のような特徴があり、海外旅行者にとって心強い味方となります。 こうした強みを活用するためにも、旅行のすべてを自分で手配するのではなく、自信のない部分や一部の手配を旅行会社に任せるという方法は、リスク回避の有効な選択肢の一つです。 したがって、旅行の計画・手配をすべて自分たちで行うのか、それとも一部を旅行会社に任せるのかは、

  • 現地の観光・送迎・手配

    日系旅行会社は日本語対応の観光案内、空港送迎、ホテル手配、ツアーアレンジなどを行い、初めての土地でも安心して移動・観光できます。

  • トラブル時のサポート

    ホテルトラブル、オプショナルツアーの変更、荷物紛失などの相談に応じてくれる場合が多く、特に子連れ旅行者にとっては心強い存在です。

  • 日本語での相談が可能

    言語面の不安が少なく、現地の事情に詳しいため、トラブル予防や問題解決のスピードが早い点が魅力です。