海外旅行では、現地の生活習慣を理解し尊重する姿勢がとても重要です。旅行者である私たちは、訪問先の国では「外国人」であることを忘れてはいけません。
言葉が違うように、文化や習慣も国によって大きく異なり、特に宗教に基づく習慣は、その国の人々の生活や価値観を深く支えています。
日本では当たり前のことが他国では非常識とされることや、逆に日本人が驚くようなことが現地では当然とされていることも珍しくありません。
例えば、シンガポールではガムの持ち込みが罰金対象となったり、タイでは子どもの頭を触ることがタブーとされています。イスラム教圏ではアルコールや豚肉の摂取が禁止され、宗教施設の見学時には服装や行動に特に注意が必要です。
こうした違いを知らずに行動すると、トラブルの原因になるだけでなく、現地の人々に不快感を与えてしまう恐れがあります。
また、宗教に関連する事柄には、むやみに立ち入らないことを大原則とし、宗教施設を訪れる際は「見学させてもらう」という謙虚な気持ちを持つことが大切です。
親子でこれらの習慣や価値観の違いを学ぶことは、貴重な異文化体験となり、今後の大きな成長の糧にもなるでしょう。
何が常識で何が非常識化の判断基準がなんであるかを理解するヒントになるかもしれません。
旅行前には最低限のマナーやルールを調べ、柔軟かつ前向きな心構えで臨むことで、異文化交流をより楽しめます。
以下に習慣の相違の例を上げておきます。各国にはこの何倍もの生活習慣があり面倒化もしれませんが可能な範囲で訪問国の文化や習慣を調べていただければと思います。
5-6)スーパー・ドラッグストアー
海外旅行中、スーパーやドラッグストアは日常の買い物だけでなく、旅先での困りごとを解決する心強い味方です。 食料品、飲料、日用品、薬や衛生用品などを手軽に手に入れられるため、家族旅行、とくに子ども連れの旅ではとても役立ちます。 海外のスーパー・ドラッグストアは、現地の生活を体験する絶好の場であり、旅を快適にする強い味方でもあります。 事前に基本のルールや注意点を知っておくことで、スムーズかつ安心して利用することができます。 子ども連れの旅行では、飲料水やスナック、おむつなどの補充にも役立つので、滞在先の近くにある店舗を早めにチェックしておくと安心です。 以前は海外のスーパーマーケットなどは日本と違い倉庫のような大きさで大きなカートをひきづりレジでは買ったものをコンベアの上において購入するスタイルに戸惑いがありましたが、 昨今の日本では、このような海外のスーパーマーケットスタイルが主流になりつつあり日本人でも戸惑うことが少なくなってきたかと思います。
海外スーパー・ドラッグストアの利用方法
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多くのスーパーでは入口付近にショッピングカートやかごが置かれています。カートはコイン式のことがあり(特にヨーロッパ)、1ユーロや25セント硬貨を差し込むと使用でき、返却時にコインが戻ってきます。 日本にも同様のスタイルが多くなってきています。
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単品物を購入する場合は、カートに入れればよいだけなので日本とほぼ同じで問題ないかと思います。 戸惑うのは、量り売りの野菜や果物かと思います。日本でも最近では多くなってきましたが海外では食材コーナーで多く見ることができます。 量り売りの野菜や果物は自分で袋に詰めた後、専用の計量機で重さを測り、値札シールを貼る必要がある場合があります。 これを忘れるとレジで対応できず、列に並び直すことになるので注意しましょう。
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ほとんどの国のスーパーでは、店員は自分から積極的に声をかけてくることは少なく、必要なものは自分で探し、困ったときだけスタッフに聞きます。
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有人レジとセルフレジがあります。有人レジではレジ係が袋詰めまでしてくれる国もありますが、セルフ袋詰めの国(アメリカ、ドイツなど)が多いです。 セルフレジは現金不可、カードのみ対応の店も増えているので、支払い方法を確認しましょう。 日本でもこのようなスタイルがかなり浸透してきましたので問題はないと思います。
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現金以外にクレジットカード、デビットカード、電子マネーが普及していますが、国によってはチップの必要やPINコード入力が求められる場合があります。 カード利用は事前に利用可能ブランド(VISA、Mastercard、Amexなど)を確認しておきましょう。
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多くの国ではレジ袋が有料、または提供されないため、エコバッグや折りたたみバッグを持参するのがおすすめです。 有料袋は日本でもかなり浸透していますので問題ないかと思います。
注意点
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国や地域によって、日曜・祝日は完全休業、もしくは営業時間が短縮される場合があります。日本のコンビニ感覚は通用しないため、旅行前に営業日や時間を調べておきましょう。
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スリ、置き引きが多い国では買い物中も荷物に気を付ける必要があります。特に混雑する店内やレジ周辺では注意を。
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同じ商品でも観光地周辺の店では割高なことがあります。地元の人が利用するスーパーを探すと安価で質の良い商品が手に入る場合が多いです。
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風邪薬、胃薬、解熱剤、バンドエイドなどの一般薬はドラッグストアで簡単に購入できますが、国によっては薬剤師の相談が必要な場合があります。 現地の薬の成分が日本と異なる場合があったり、強めの薬だったりすることがあります。 普段使い慣れた常備薬は、必ず持参する方が安心です。 特に慢性疾患の薬は、必要量を余裕をもって用意し、英文の服用説明書も携帯してください。
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おむつや生理用品、化粧品、日焼け止め、虫除けスプレーなども揃いますが、日本ヒントは成分が違う場合があります。 子ども用製品は国によって種類や成分が違うので、必ずパッケージをよく確認しましょう。
5-7)医療機関(病院、薬など)
海外旅行中に起こってほしくないことの一つに現地病院にかかる事があります。海外旅行中に体調不良を起こしたり、ケガをして病院や薬のお世話になることは、誰にとっても起こり得ることです。特に子ども連れの旅行では、急な発熱、ケガ、アレルギー、胃腸トラブルなどへの備えが大切です。 しかし、医療事情は各国により日本とはかなり相違することを覚悟してください。 一番大事なことは、日本の保険は利用できないことです。 なので、海外旅行保険は必ず入ってください。 逆に海外旅行保険を入っていない人は、想像を超える高額な医療費がかかります。 以下に、海外での医療事情や旅行者が知っておきたいポイントを解説します。
海外の医療機関の特徴
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先進国では医療レベルは高いものの、費用が非常に高額なことがあります。一方、発展途上国では公立病院の設備や衛生状態に不安がある場合があり、私立病院や国際クリニックの利用が推奨されます。 事前に申し込んだ海外旅行保険会社が推奨する病院および日本人向けクリニックを必ず事前に調べメモを取っておいてください。
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英語が通じない国や地域では、診察や薬の説明を理解するのが難しいことがあります。さきに記述した通り、旅行前に現地の日本語対応クリニックや通訳サービスを調べておくと安心です。
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多くの国では医療費が高額で、診察や処方薬も原則「全額自己負担」です。 旅行保険で定められている、キャッシュレスで治療を受けられる提携病院を最優先に選んでください。
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具合が悪くなったときは、宿泊先のホテル、海外旅行保険のサポートデスク会社、クレジットカードなどの海外トラブル連絡先、日本大使館(領事館)、現地日本人会、ツアーならば現地スタッフに相談しましょう。 対応方法や提携クリニックなどを紹介してもらえる場合があります。 滞在国の救急電話番号、宿泊先のホテル、海外旅行保険のサポートデスク会社、クレジットカードなどの海外トラブル連絡先、日本大使館(領事館)、現地日本人会の電話番号、メールアドレスを控えておきましょう。
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パスポート、海外旅行保険証書(保険加入証明書)、クレジットカード、子どもの母子手帳や予防接種歴(可能なら英文)を持参するとスムーズです。
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欧米やオーストラリアでは、かかりつけ医(GP)の予約が必要で、飛び込みでは受診できない場合があります。
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途上国では、病院や診療所の衛生環境が十分でない場合があります。感染症予防の観点から、旅行前に必要な予防接種を済ませておくと安心です。


5-8)緊急体制(警察、救急車など)
海外旅行中は、思わぬトラブルや急病、事故に巻き込まれる可能性があります。 とくに子ども連れの旅行では、安全対策と緊急時の対応準備が不可欠です。 海外では、緊急時の対応力が家族の安全を左右します。緊急連絡先の確認、保険・大使館情報の準備、言語対策を万全にし、いざというときは落ち着いて行動することが大切です。 旅行前に家族でシミュレーションしておくのも有効です。 警察・救急車などの連絡方法、利用の流れ、注意点をまとめます。
緊急時の連絡先を事前に確認
最初に国ごとの緊急番号を調べ把握する事です。 多くの国では「警察」「救急」「消防」に共通の緊急番号があります。 旅行前に滞在先の緊急番号を確認し、紙やスマホにメモしておきましょう。
日本大使館・領事館の連絡先も控える
万一の事件・事故・パスポート紛失などでは、大使館や領事館の助けが必要です。現地到着後に所在地や電話番号を把握しておくと安心です。
警察への連絡・利用のポイント
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言葉の壁があるかもしれませんが、事件・盗難・トラブルに遭った場合は、場所、状況、必要な支援をできるだけ簡単に伝えます。
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英語が通じない国では、ホテルや旅行会社のサポートを頼る、または現地語の簡単なフレーズをメモしておくと役立ちます。
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盗難被害ではポリスレポート(被害届)が必要。保険請求や大使館での手続きに必要なので必ず取得してください。
救急車の利用・注意点
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国によって救急車の料金制度は大きく異なります。アメリカ、オーストラリアは、有料で高額になる場合あります。 ドイツ、フランスは有料ですが、保険適用が可能です。 タイ、シンガポールは、公営は基本無料で私営が有料です。
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救急車の利用時も落ち着いて対応する必要があります。 以下の内容を報告することが基本なのですが、言葉の壁がある人にとってはかなりハードな内容です。 これらの情報を現地人とほぼ同様に説明するには現地駐在しないかぎり難しいかと思います。 なので、先に上げた緊急連絡先へ連絡してサポートしてもらった方が無難かもしれません。
・発生場所(できるだけ正確に住所や目印を伝える)
・状況(症状、怪我の程度、意識の有無)
・呼びかけに対する反応や既往症、服用薬 -
救急車は基本的に最寄りの救急指定病院に搬送します。同行家族はタクシーなどで後から向かうケースもあるので、通院先をしっかり確認しましょう。



緊急時の予防策と心構え
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海外旅行保険の連絡先や証書は必ず持ち歩きましょう。キャッシュレス対応の病院がわかっていれば安心です。
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宿泊先のホテル、海外旅行保険のサポートデスク会社、クレジットカードなどの海外トラブル連絡先、日本大使館(領事館)、現地日本人会、ツアーならば現地スタッフを活用しましょう。
5-9)日本大使館・領事館・日系旅行会社
海外旅行中に万が一トラブルに遭遇した場合、日本大使館や総領事館、日系旅行会社は心強いサポート先となり海外旅行者の安心を支える重要な存在です。 特に子ども連れの旅行では、トラブル発生時に迅速に頼れる窓口を知っておくことが大切です。 日本大使館・領事館、日系旅行会社は、海外旅行者の安心を支える重要な存在です。 旅行前に連絡先を確認し、いざという時にすぐ頼れるよう準備しておきましょう。 特に子ども連れの旅行では、こうした現地の支援先を知っておくだけで、万が一のときの心強さが大きく変わります。 ここでは、これらの機関の役割や利用方法、注意点を解説します。
日本大使館・領事館の役割
日本大使館・総領事館は、海外に住む・滞在する日本人の生活を守るために設置されています。 旅行者にとっても以下のような場面で重要な支援を行います。
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仮発行の渡航書や緊急パスポートの発行手続きをサポートします。
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現地警察への相談や被害届の提出、弁護士の紹介、必要に応じて家族や知人への連絡をサポートします。
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現地の医療機関の情報提供、入院時の家族連絡やアドバイスを行います。
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地震や洪水、暴動などが起こった際には、安全確保のための情報や緊急連絡網を提供します。
大使館・領事館の利用方法と注意点
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滞在国の日本大使館や領事館の住所、電話番号、ウェブサイトを旅行前に調べ、紙やスマホにメモしておきましょう。
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現地でのトラブルは原則として自己解決が基本で、大使館・領事館はあくまで助言や支援、現地機関の紹介にとどまります。旅行前に旅行保険や現地の医療・安全情報を調べておくことが重要です。
日系旅行会社の活用
本ガイドで解説していく内容は、主に個人が計画し、自分で手配する個人旅行を中心としています。そのため、旅行会社を利用する機会は少ないかもしれません。 しかし、いざトラブルが発生した場合、現地にある日系旅行会社は以下のような特徴があり、海外旅行者にとって心強い味方となります。 こうした強みを活用するためにも、旅行のすべてを自分で手配するのではなく、自信のない部分や一部の手配を旅行会社に任せるという方法は、リスク回避の有効な選択肢の一つです。 したがって、旅行の計画・手配をすべて自分たちで行うのか、それとも一部を旅行会社に任せるのかは、自分たち家族がどこまで対応できるのかを把握したうえで決めることが大切です。
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日系旅行会社は日本語対応の観光案内、空港送迎、ホテル手配、ツアーアレンジなどを行い、初めての土地でも安心して移動・観光できます。
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ホテルトラブル、オプショナルツアーの変更、荷物紛失などの相談に応じてくれる場合が多く、特に子連れ旅行者にとっては心強い存在です。
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言語面の不安が少なく、現地の事情に詳しいため、トラブル予防や問題解決のスピードが早い点が魅力です。