西沢渓谷:紅葉シーズンに絶対行きたい場所
晩秋の「七ツ釜五段の滝
西沢渓谷は、首都圏からも近く清流、滝、奇岩が続く渓谷美を誇る国内屈指の景勝地です。笛吹川上流の埼玉・山梨・長野の三県が接する秩父多摩甲斐国立公園内にあります。巨大な花崗岩を清流が浸食してできた渓谷は、天然の芸術とも言え原生林を流れる渓流がいくつもの滝を作りだし神秘的な渓谷美をつくりだしています。 中でも「七ツ釜五段の滝」は、紅葉時の西沢渓谷のポスターやカレンダーで掲載されるほどの一番人気の滝です。西沢渓谷の素晴らしさは、全国的にも有名で「21世紀に残したい日本の自然100選」、「平成の名水百選」、「森林浴の森100選」、「水源の森100選」、「新日本観光地100選」、「日本の滝100選」と六つの100選に選ばれ森林セラピー基地にもなっています。 さらに西沢渓谷には、遊歩道(トレッキングコース)が整備され、西沢渓谷を一周するコースは、西沢渓谷の魅力を余すところなく見れる定番のコースとなっています。このコースは、高低差約300mで距離が約10kmあり約3時間30分から4時間程度の時間がかかります。 足場の悪い箇所や急な登り下りの場所もあり「登山」に近いトレッキングコースと思ってください。初心者でも歩けるコースですが、歩きやすい服装と靴で出かけることが必須です。この遊歩道は、原生林に囲まれ道も無い渓谷なので工事車両が入れず、すべて人力によって苦労を重ね完成されました。 トイレは、西沢渓谷入り口に1ヶ所、少し行った所の閉鎖されている小屋に1ヶ所、西沢渓谷1周コース中心部の休憩場にバイオトイレがあります。休憩場まで1時間半から2時間程度かかりますので途中でのトイレには期待せず、なるべく入口側で用をすませておくことをおすすめします。 西沢渓谷は、春夏秋冬それぞれに違った景観をもたらします。春はシャクナゲやツツジなどの花々が咲きシャクナゲ群落が開花する5月上旬~中旬ごろはピンク色の花が咲き誇る様は見事です。夏は、マイナスイオンたっぷりの渓流ハイキングが楽しめ滝の水しぶきを感じ涼しい夏を感じることができます。 秋は、特に人気がある季節で多くの人で混み合いますが、壮大な紅葉を堪能することができます。12月初旬~4月下旬の入山はできませんが、今回行った11月中旬も、木の葉が枯れ落ち滝本来の魅力を感じられることで人気があります。駐車場は、西沢渓谷入口に「道の駅みとみ」の市営無料駐車場(1,000台以上)と、そこから徒歩で5分ほど登山道へ進んだ所に市営無料駐車場(約60台)の駐車場があります。 紅葉時期は、かなり混雑するので早めの到着がおすすめです。私たちは、「道の駅みとみ」前にある笛吹小屋キャンプ場でキャンプをしながら西沢渓谷を楽しみました。笛吹小屋キャンプ場は、こちらの頁で紹介しています。
西沢渓谷一周トレッキングコース
西沢渓谷ガイドマップ
※本ガイドマップは、山梨県山梨市の「西沢渓谷パンフレット」(2016/11/13)の中から抜粋したものです。紹介場所がわかりやすいように独自にNoリングしています。
西沢渓谷トレッキング
西沢渓谷入口~二股吊り橋
今回いった日は11月13日で、渓谷側の紅葉はすでに終了していたのです渓谷のコース入口側は紅葉真っ盛りでした。この項では、国道140号線の西沢渓谷入口から紅葉の林道を歩き、渓谷沿いルートの右回りと降りてくる左周りルートの中間点である「ねとりインフォメーション」を通り最初の吊り橋「二股吊り橋」までの道中を写真で順に掲載しました。この区間で徒歩約40分程度です。 「ねとりインフォメーション」と廃業中の西沢山荘にトイレがあります。
①R140西沢渓谷入口地点
②入口付近の紅葉
③コースに入るゲート
④紅葉の林道を歩く
⑤なれいの滝
⑥まだ紅葉中
⑦合流点の「ねとりインフォメーション」
⑧廃業中の西沢山荘
⑨二股吊り橋
二股吊り橋~折り返し点
この項では、二股吊り橋~折り返し点の休憩場までの区間を写真で順にご紹介します。この区間が西沢渓谷のメイン場所です。渓谷横の遊歩道を歩きながら西沢渓谷のさまざまな滝を見ることができる。ほとんどの遊歩道が、濡れている岩場やぬかるんでいる道なのでゆっくり気を付けて歩いてください。また渓流が遊歩道の真横にある場合が多く、落ちないように気を付けてください。 この区間で、徒歩約1時間程度~1時間30分はかかります。折り返しは、少し開けた場所でバイオトイレが2式ありました。
⑩大久保の滝
大久保の滝は、二俣吊り橋を渡り少し進むとハイキングコースの対岸に木々の間から見える滝です。渓谷の中では、最初の滝です。 落差30mほどの直瀑で大久保沢から西沢へと流れ落ちています。ここが西沢渓谷の最初の滝のビューポイントとなります。
⑩大久保の滝
⑪三重の滝
三重の滝は、七ツ釜五段の滝の前座的な滝で、滝壺に流れ落ちる三段の滝です。10mほどの落差で大きくはありませんが、水量が多く轟音を立てて滝壺を介して流れる様は迫力があります。三重の滝には、少し渓流側に降りる道があり「観瀑台」があります。そこから見る滝の眺めはその迫力に引き込まれそうになります。 滝壺の色がエメラルドグリーンに見え、その滝壺から次々と溢れ出す純白の水しぶきには、圧倒されます。
⑪三重の滝
⑫フグ岩
岩肌が人の顔に見える⑬人面洞
⑭竜神の滝
竜神の滝は、小さな滝ですが周囲の岩場や木々と調和した景観が気持ちいいです。上の釜から下の釜へと落差6mで幅が広く勢いよく流れ落ちる滝です。 落差が大きく滝つぼも広いため、流れ落ちる音が良く響き、滝壺の色も魅力的です。
⑭竜神の滝
⑮恋糸の滝
恋糸の滝は、ハイキングコースの中で一番小さな静かな滝です。木々に隠れ、見えにくいです。水量も遊歩道内で見れる滝の中では一番水量が少ないのです。この滝は、細い滝が落差100mを少しづつ流れています。 目立たない滝なのですが、儚い恋のようにか細く細く西沢へと流れ落ちるようすに情緒を感じる滝です。
⑮恋糸の滝
⑯貞泉の滝
貞泉の滝は、落差6mで水量が豊富な滝です。ここには、滝見台があり間近で迫力ある滝を眺められることができます。 周囲を岩盤に囲まれている大きな滝壺が、コバルトブルーに輝き流れ落ちる音が大きく渓谷に轟き渡っています。
⑯貞泉の滝
⑰母胎淵
母胎淵は、落差2mの滝横に丸く大きな馬蹄形の開口部が見られ部分です。エメラルドグリーンの水を湛える穴は、その姿形から母胎淵と呼ばれています。 川の流れと直角にどうしてこのような穴ができたのか?長い年月を経て生まれた甌穴だと言われています。
⑰母胎淵
混雑時は遊歩道が渋滞ぎみ
川の真横を歩く遊歩道
⑱カエル岩
⑲方丈橋
⑳七ツ釜五段の滝
七ツ釜五段の滝は、西沢渓谷最大のハイライト場所で、日本の滝百選にも選ばれている名瀑です。七ツ釜五段の滝を見るために多くの人が遊歩道を歩きます。 5つの滝と7つの滝壺があることから名付けられていて滝全体の落差は約50m、上から滝の落差は3m、4m、2m、9m、10mです。滝の姿を一望することは難しく、ハイキングコースからは、上流部と下流部それぞれを眺められる場所があります。
⑳七ツ釜五段の滝
㉑不動滝
不動滝は、西沢渓谷ハイキングコースの最奥部にある滝です。七ツ釜五段の滝のあとなので感動が薄くなりますが、滝壺の水の色と流れの美しさは、小さいながらも魅力的です。
㉑不動滝
最後のきつい登り道
折り返し点の休憩場
森林軌道跡(トロッコ道)
不動滝の上にある展望台が、ハイキングコースの折り返し地点となっています。西沢渓谷は、決まりではありませんが一方通行のハイキングで楽しむことになっていて、展望台から西沢渓谷入口までが帰路になります。 行きと違い帰りは下りの比較的平坦な森林軌道跡(トロッコ道)を通り戻ります。昭和8年から昭和43年まで、三富村と塩山駅との間に全長36kmの三塩軌道(トロッコ)が走っていました。 今でも、森林軌道跡(トロッコ道)の一部に線路跡がところどころ見える場所があります。帰路は、ところどころに西沢渓谷の山々を望むことができるハイキングコースとなっています。渓谷の紅葉が終わっていても、帰路では、奥秩父に連なる山々の紅葉や森林軌道跡道の紅葉が見れます。 折り返し点~ねとりインフォメーションまでは徒歩で約1時間30分程度です。
トロッコ道で帰路へ
所々に沢と苔が見れる
しゃくなげ橋
山林の紅葉
所々にトロッコ線の跡
大展望大から奥秩父に連なる山々
頂上が鶏のトサカに似る鶏冠山
大久保沢
帰路は平坦な遊歩道
小金色に染まった山肌の紅葉
合流点に戻るネトリ大橋
紅葉に囲まれ渓谷入口へ戻る
西沢渓谷周辺の宿
三富温泉郷 旅館 白龍閣
三富温泉郷 旅館 白龍閣は、西沢渓谷から車で18分程度のところにあり西沢渓谷ハイキングでの宿泊におすすめの宿です。100%掛け流しの自家温泉で湯量毎分368リットル、24時間入浴が可能な最高の温泉が楽しめる。さらに、「西沢渓谷で森林セラピー体験プラン」があり、「おにぎり弁当&お茶のセット」付き、荷物お預かりサービス、トレッキング後の帰りの温泉入浴OKなど西沢渓谷を楽しむ人にやさしい旅館です。
リゾートハウス鶏冠荘
リゾートハウス鶏冠荘は、部屋数が7室とこじんまりした宿ですが郷土料理を中心においしい田舎料理を食べさせてくれる宿です。お風呂・トイレが共同利用ですが、きれいに清掃されています。西沢渓谷に近く多くのハイカーが利用します