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観察 | 海の生物:32(画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)

三浦半島 江奈湾 干潟:ヨシ原のある干潟でよく見かけるカニ「アシハラガニ」

フジナマコ?の画像01 「アシハラガニ」は、モクズガニ科に分類され干潟とその上部の塩沼に生息する中型のカニ。河口付近のヨシ原のある干潟などでよく見かける。成体は、甲幅3cmほどで、干潟にいるカニとしては大きいカニ。甲羅はわずかに横長の長方形で厚みがある。両眼の間が窪み、甲側縁には3個の鋸歯がある。はさみ脚は左右とも同じ大きさで、太くて丸っこく、表面は滑らか。生体の体色はほぼ全身青緑色だが、脚は淡黄色で、甲も淡黄色の縁取りがある。砂泥に直径3~4cm、深さ40cmほどの巣穴を掘って生活し海から遠く離れることはない。潮の引いた砂泥上で活動するが、昼よりも夜の方が活発。雑食性で、色々なものを食べる。干潟にいるコメツキガニやアカテガニなどの他のカニを捕食することもある。主食は、ヨシの葉などの植物。 (Data:2015/06/07)

三浦半島 江奈湾 干潟:青い服着て踊るカニ「チゴガニ」

チゴガニの画像01チゴガニの画像02 「チゴガニ」は、スナガニ科に分類され日本列島の温暖な砂泥干潟に生息する小型のカニ。砂泥底の干潟に生息する小さなカニで、干潮時に巣穴から出てきて活動する。餌は砂泥中に含まれる有機物など食べる。残った砂は団子状にして置いていく。。オスは、真っ白いハサミを持っており、このハサミを何度も高く振り上げる「ウェービング」をする。これは、自分の縄張りを主張する行動で、1匹のオスがウェービングを始めると、まわりにいる他のオスたちも一斉にハサミを振り上げるので、干潟では一面にチゴガニ達の一斉ウェービングの様子を見ることができる。 幅が1cm程度の甲は、丸みを帯びた横長の六角形だが、眼の間が狭い。甲の背面には短毛がまばらに生える。脚は左右とも同じ大きさで、鋏つけ根の膨らんだ部分が広い。体色は全体的に灰褐色だが、生体の鋏脚先端部は白い。また、甲の腹面・口の左右が水色や淡緑色に色づいているものもいる。 コメツキガニと同様に河口干潟の生息に適した区域に集団で巣穴を掘って生活するが、コメツキガニよりも淡水の影響が強い泥まじりの区域を好む。 (Data:2015/06/07)

三浦半島 江奈湾 干潟:目の潜望鏡をもつ潜水艦カニ「ヤマトオサガニ」

ヤマトオサガニの画像01ヤマトオサガニの画像02 「ヤマトオサガニ」は、スナガニ科オサガニ属のカニ。汽水域の軟泥の干潟に巣穴を掘って生息している。甲は、幅約 4cm程度で横長の四角形,甲長と甲幅の比がほぼ 2対3。ハサミは両方とも太めで下向きに発達し白い。目がとても長く水面上に眼だけを出していることもよくある。 この潜望鏡のような眼を出してあたりを警戒するようすがおもしろい。ヤマトオサガニは、シギやズグロカモメの常食となってしまう。非常に用心深いカニで、干潟に入って真近で観察しようと接近するとすぐに干潟にある巣穴に潜ってしまう。メスは、ハサミを上下してウェービングする。ヤマトオサガニに似ているオサガニとの違いは、 オサガニには、額に突出部があることで判別できる。写真では、突出部がないのでヤマトオサガニとした。また、似ているヒメヤマトオサガニとの違いは、ヒメヤマトオサガニのよく似ていますが、オスの3本目の脚(第3歩脚)の毛のあるのがヒメヤマトオサガニだ。とにかく、似ているカニが多い。(Data:2015/06/07)

三浦半島 江奈湾 干潟:取り上げると潮を吹く貝「シオフキ」

シオフキの画像01 シオフキは、バカガイ科の二枚貝のひとつで、水質をきれいにしてくれる貝の代表種。千葉県の房総半島から南の地域に主に分布し潮間帯の砂の中に生息する。殻長は4.5cm程度で、蝶番部が丸く膨らんだ三角形になっている。表面には同心円状の成長肋があるのが特徴。外見は、白地に茶色の縁取り。潮干狩りでアサリと共によく獲れる貝のひとつで邪道な貝として嫌われる。食べられなくはないのだが、砂が多く前処理に時間がかかり人気がない。しかし、味はアサリと変わらないとのこと。佃煮などにするのが適しているとか。シオフキは、出水管からよく海水を噴き出すことからこの和名がつけられた。 (Data:2015/06/07)

三浦半島 江奈湾 干潟:汽水域の潮間帯に生息するカニ「ケフサイソガニ」

ケフサイソガニの画像01 「ケフサイソガニ」は、モクズガニ科に分類されるカニのひとつ。日本を含む東アジアの海岸に分布し汽水域の潮間帯に生息し石の下に多く見られ淡水の影響のあるようなところでよく見かける。甲の幅が約3cm程度で同属のイソガニによく似ている。はさみは左右同じ大きさで前節は特に肥大している。前節の内面と可動指、不動指の基部内側に軟らかい長毛が密生。この毛は、成長した雄だけに見られ雌や幼若個体では毛がない。脚の色彩が、一様な暗灰または暗紫色でイソガニのような横縞がない。全体的な色彩は灰黄緑色の地に不規則な白斑がある。ハサミは左右同じ大きさで、前節は特に肥大している。 (Data:2015/06/07)

三浦半島江奈湾干潟:固体が減少傾向にあるウミニナ科の巻貝「ホソウミニナ」

メバル/シロメバルの画像01 「ホソウミニナ」は、ウミニナ科に分類される細長い巻貝の一種。成貝は、殻高25-35mm、殻径10mmほどの塔型で、厚質で堅い。螺層は8階で、膨らみはわずかで円錐形に近い。貝殻の色は、灰色や黒褐色で、巻きの繋ぎ目に沿って白い帯模様が入る個体も多い。殻口は小さく円形。蓋は円形で濃褐色のキチン質、多旋型で核は中央にある。似ている「ウミニナ」とは、小型で細長く彫刻のきめが細かいことと殻口が殻に比して小さく円形をしていること。大きな相違は、殻口上部に滑層瘤(かっそうりゅう:陶器のような質感の白い三角形部分)がないことで区別できる。海岸の潮間帯下部で、乾燥しにくい区域に生息し一般に群生することが多い。外洋に近い転石・岩礁海岸にも見られ、岩や海藻の間の砂地に潜む。ウミニナ類各種が多産するにもかかわらずホソウミニナがいない干潟もある。殻上に背の高い小さなカサガイが付いていることがある。(Data:2015/06/07)

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