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観察 | 海の生物:21

葉山 芝崎海岸:磯の年代を解明する役割「ヤッコカンザシ」

アカササノハベラの画像01 この小さなパイプ状の貝のようなひとつひとつが、ゴカイの仲間である「ヤッコカンザシ」の棲管。ケヤリムシ目カンザシゴカイ科に属する小型種。石灰質の殻で青っぽいくごつごつとした棲管を作り,その中に「ヤッコカンザシ」がいる。潮が満ちると棲管からケヤリムシに似た小さな鰓を出す。開口部がぎざぎざしていることが多い。潮間帯中部の岩などに群生して固着する。殻を割って中を見ると、オレンジか緑っぽい色をしたゴカイがでてくるとのことです。オレンジがメス,緑がオスとのこと。産卵期には、これらのオスとメスからピンセットでつまめば卵子や精子が継ぐに飛び出し簡単に受精させることができるらしい。「ヤッコカンザシの化石」や巣が隆起が年代を解明してくれる物差しの役割を果たすとのこと。「ヤッコカンザシ」は、磯遊びの生き物観察者より地質学者に人気があるらしい。(Data:2014/03/29)

葉山 芝崎海岸:よく見かける肉食性巻貝「レイシガイ」

ホシキヌタの画像 これが、北海道南部から本州、四国、九州まで、潮間帯から水深10mくらいまでの岩礁に普通に生息するアクキガイ科の巻貝「レイシガイ」。殻の高さ4cm~6cm程度,幅4cm程度で灰黄白色で黒斑があり,堅固で太い。まきが6階あり各層に丸い大きなコブが2列に並ぶ。体層は大きく、4列にコブが並び肩にあるものがもっとも強い。その形が植物のレイシの実に似ているのでこの名前がつけられたとか。殻の中は橙色。肉食性で養殖のカキなど、二枚貝の殻に穴を開けて貝の中の肉を食べてしまうので嫌われ者の貝。しかし、食用にできるらしい。6月~7月の産卵期には、集団になり、潮通しの良い岩穴や岩壁に黄色の卵を一面に産みつける。「レイシガイ」に似ている「イボニシ」との違いは、口周辺が橙色なのが「レイシガイ」。 (Data:2014/03/29)

三戸浜堤防and芝崎海岸:網ですくえるギンポ「キンポの幼魚」

キンポの幼魚の画像01キンポの幼魚の画像02左上の2枚は、三浦 「三戸浜堤防」で網ですくった「ギンポの幼魚」。ギンポは、ニシキギンポ科に属する魚で、日本本土沿岸の内湾や藻場に生息。成魚は、20~25cm、側扁した細長い体に黄褐色系のまだら模様がある。ギンポは、冬季に抱卵し春先になると幼魚がごく浅場に躍り出る。春先に浅瀬の海藻を揺さぶるとたくさんのギンポの幼魚がいる。隠れている海藻や海草の色にあわせて、体色が変化し成長しながらまだら模様がはっきりしてくる。ギンポは、卵をおにぎりのような形にかためて産み体で卵をまいて、敵から守る。干潟のやや大きな石をとりのぞくと、これらの光景が見られたのだが、干潟が減少し今ではあまり見られなくなったとのこと。体に、するどいトゲがある低い背びれがあるので、さわるときには注意を! (Data:2014/01/03)キンポの幼魚の画像03
しかし、下の左1枚の写真は、3月29日の芝崎海岸で網すくった「ギンポの幼魚」。調べてみると「コモンイギンポ」or「トビイトギンポ」の幼魚らしい。「オオカズナギ」に似ているが、「オオカズナギ」は、背鰭前部棘数は26~36と多いので違うと判断。眼上には鼻管がないのでハナイトギンポとも違う。「オオカズナギ」は、沿岸の浅い岩礁域にすみ、潮間帯でも姿を見ることができ、水が冷たい頃によく採集できるとのことで環境的にはばっちり。個人的には「オオカズナギ」のような気が???とにかく、幼魚を判明することは難しい。(Data:2014/03/29)

海の公園(横浜):養殖した貝やアサリを食い荒らす嫌われ者「マヒトデ」

マヒトデの画像01潮干狩りをしていて見つけた大きなヒトデ「マヒトデ」。マヒトデは、北海道~九州に分布し潮間帯から水深150mの岩礁域や砂泥底に広く生息している。ヒトデ目ヒトデ科ヒトデ属の中で、最も普通に見られる大型のヒトデ。放射状にすらりと伸びる5本の腕があり海底の地面や石などにくっついている。体形は星型で、硬く表面にイボ状のゴツゴツしたものがりざらざらしていて口は、裏側の中央にある。色は紫色のものが多いが、黄色のものもいて俗称でキヒトデと呼ばれている赤褐色のものや白っぽいものもいる。私たちが見た「マヒトデ」は、黄色なので「キヒトデ」と呼ばれるもの。「マヒトデ」は、環境汚染に強く、アサリ、ハマグリ、ホタテやカキなどを食い荒らす極悪ヒトデとしても有名。大量発生しアサリ収穫に大きな被害を与える。天草地方などでは、塩茹でにしてお腹の卵を食べるらしい。 (Data:2014/04/20)

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