安曇野は道祖神の宝庫、それならばと・・はじめての道祖神めぐり

安曇野で一番知られている「水色の時 道祖神」の画像01

安曇野で一番知られている「水色の時 道祖神」2015/03/14

安曇野が道祖神の宝庫であることをみなさん知っていましたか? スキーに行く前日、何回か訪れている安曇野を観光しようと考えたのだが、冬が終わろうとしているこの時期にどこを観光すれば良いか迷ってしまった。まだ見ていない安曇野の観光地を調べていくうちに、この時期しか見られない「白鳥の池」とこの「道祖神めぐり」が浮上した。調べていくにつれ安曇野の「道祖神めぐり」が、実に貴重な散策であることがわかり今回、安曇野穂高町の「道祖神めぐり」の一部を巡ってみることにした。安曇野の道祖神は、約500体を超え彫刻の種類や表現などバラエティに富んでいるとのこと。道祖神は本来、塞(さえ)の神とも言われ、幸いの神・歳の神などと言われている。塞「さえ」とは「さえぎる」の意味で、本来は悪霊や疫病など邪悪なものが集落に入り込んでこないように、村境・峠などに祀ってきたのが始まり。道祖神には「縁結び」「疫病退散」「五穀豊穣」「家内安全」「子孫繁栄」などの願いがこめられている。安曇野の道祖神は、安曇野の村人たちが五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄を祈願する身近な神として、男女像を安曇人独特の知性とユーモアで造り上げてきたとのこと。男女が寄り添っているもの、手を握るもの、愛を表現したものなどその姿はさまざま。道祖神は、町の小さな道にあり自転車(レンタサイクルなど)で道祖神めぐりをすることをおすすめしたい。今回は、時間の関係もあり穂高町の道祖神を車で巡ったのだが、今ひとつ風情がなく道祖神めぐりの楽しさを感じにくい巡り方と感じた。本来、「安曇野の道祖神めぐり」は、安曇野の自然や田園風景、村、町のようすを見ながらゆっくりと巡ることが安曇野の道祖神を楽しめる方法」だと思う。道祖神の場所や巡り方は、JR大糸線穂高駅前にある「観光情報センター」で、駅周辺の道祖神巡りマップ(無料)を入手するか、以下の安曇野市観光協会ホームページから有料の旧穂高町の「道祖神マップ」や「道祖神が道案内みちくさの旅」を入手することでわかる。また、安曇野市のホームページをはじめ多くのホームページやブログなどで、道祖神の場所が紹介されている。

アイコン1の画像安曇野の旅・安曇野市観光協会ホームページ

アイコン1の画像道祖神めぐり・安曇野市ホームページ

「安曇野 穂高の道祖神」

今回は、安曇野の旅(安曇野市観光協会ホームページ)にある「道祖神巡りマップ」で紹介されている穂高駅を中心とした22体の道祖神の11体+周辺2体の13体を巡った。今回紹介できる道祖神は、安曇野の道祖神のほんの一部。巡れなかった道祖神も多くあり、またの機会に巡ってみたいと思う。

安曇野 穂高の道祖神の種類

道祖神は、大きく「文字碑」と「双体像」に大別される。安曇野は、江戸時代から男女の双体道祖神が多いことが特徴で、双体道祖神には、「酒器(祝言)像」「握手像」「笏扇像」などがある。全国的に珍しい「彩色双体道祖神」も見られるのも特徴。この彩色像は、道祖神祭りの時に子供たちが祈りを込めて塗るとのこと。また、道祖神とともに「二十三夜塔」「庚申塔(こうしんとう)」「大黒天」が置かれている道祖神も多い。

安曇野 穂高の道祖神の種類

酒器(祝言)像は、男神が盃を持ち女神が瓢(ふくべ)や提(ひさげ)を持って祝言、結婚式を表している像で、男女の婚礼像と言われている。酒器(祝言)像は、握手像の次にできた像で、持っている酒器にさまざまなパターンがある。

握手像

握手像は、様々な衣装や髪型をした男女の神様が、親しみをこめて握手をしている像。向かって右側に男神、左側に女神が彫られているのが一般的。双体像としては、握手像が一番多い。握手・肩組・抱き寄せなどパターンがある。

文字碑

文字碑は、大小さまざまな形の石に「道祖神」の文字を楷書体、草書体、篆書体などで彫り込んである碑。中には、著名な書家にかいてもらった見事な書体の文字碑もある。

笏扇像

笏扇像は、神主姿の男神が笏(しゃく)を持ち、女神が扇を持っている像。中には、女神が巻物を開いているものもある。双体像の中では、少ない像で珍しい像の分類に入る。

二十三夜塔

二十三夜塔は、月を信仰の対象として精進・勤行し、飲食を共にしながら月の出を待つ「月待ちの行事」をした際に、供養のしるしとして建てられた石碑のひとつ。仏教の教えに、陰暦の十月二十三日、月の出を待って祈念すると幸福になれるとあり、庶民の間では 二十三日に「月待ちの行事」が行われたとのこと。集まった人々は、月を拝んで豊作や良縁、健康を祈念しお茶や酒を飲んで一時を過ごしたとのこと。

庚申塔(こうしんとう)

庚申塔(こうしんとう)は、中国より伝来した道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔。旧暦では60日に1度、庚申(かのえさる)の日が巡ってきて、この夜眠ってしまうと人の体内にすんでいる三し(さんし)という虫が天に昇って、天帝にその人の日ごろの行いを報告するという道教の教えがあった。この教えで人々は、庚申(かのえさる)の日に虫が抜け出せないようにと徹夜で過ごしたとのこと。

巡った安曇野 穂高の道祖神

水色の時道祖神(昭和50年) 握手像

安曇野で一番有名で人気のある道祖神と言えばこの「水色の時道祖神」だろう。昭和50年のNHK朝の連続テレビ小説「水色の時」に使われ、寄付されたもの。北アルプスの山々と田園風景をバックにしにこやかな笑みで手を取り合う姿は、心が温かくなる。この「水色の時道祖神」がある場所には、数台の車が駐車できるエリアがある。まさに観光地の一つなのだろう。

水色の時道祖神がある全景の画像02

水色の時道祖神がある全景

水色の時道祖神の画像03

水色の時道祖神

祝言像(1819年)の画像04

祝言像(1819年)

握手像(1819年)の画像05

握手像(1819年)

二十三夜塔・大黒天・握手像(1885年)の画像06

二十三夜塔・大黒天・握手像(1885年)

握手像(1831年)の画像07

畑の中に立ち並ぶ握手像と石塔(1831年)

大黒天・二十三夜塔・握手像(1839年)の画像08

大黒天・二十三夜塔・握手像(1839年)

握手像(1841年)の画像09

握手像(1841年)

穂高町役場前の握手像(1985年)の画像10

穂高町役場前の握手像(1985年)

文字像(1953年)の画像11

文字像(1953年)

彩色・握手像(1883年)の画像12

彩色・握手像(1883年)

彩色・握手像(1858年)の画像13

彩色・握手像(1858年)

大王わさび農場の握手像と清流の画像14

大王わさび農場の握手像と清流

白鳥池の近くにあった握手像の画像15

白鳥池の近くにあった握手像

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