2016年 海中を撮影できるアクションカメラ特集の表紙イメージ画像

アクションカメライメージの画像01 2016年の夏、アクションカメラの人気がさらに高まろうとしている。Go-Proが切り拓いてきたこの分野へ、国産メーカがおもしろい商品を投入しはじめた。
アクションカメラは、目で見た通りのような光景を撮影できスポーツなどのアクティブシーンに最適。小型・軽量・広い視野角で臨場感ある映像を撮影できる。さらに、耐衝撃や耐水性にも優れさまざまなマウントキットが用意されている。一方で、ズームアップなどで子どもを大きく捉えたい運動会や学芸会などのイベントには不向き。だが、運動会や学芸会でも臨場感がある映像が欲しい場合には、アクションカメラで臨場感あるシーンを撮影できることも多い。
Shizengateは、海関連のコンテンツ記事が多い。そこで今回は、おすすめしたい2016年6月時点で発売されている海中でも撮影できる4K対応のアクションカメラを紹介する。

新たな分野のアクションカメラ、オリンパス『STYLUS TG-Tracker』


オリンパスから待望のアクションカメラ『STYLUS TG-Tracker』が発売された。ハウジングなしで防水30mまでの水中撮影が可能で、4K対応、対角線画角204度の超広角レンズ搭載と機能も充実。さらに、GPS /気圧 /温度 /方位 /加速度という5つのセンサーを搭載しさまざまなトラッキングログの取得ができる。アクションカメラの世界に新たなフィールドログカメラと言うコンセプトを打ち出してきた。
タフデジタルカメラの王者「STYLUS Toughシリーズ」を利用している私には、待ちに待った製品だ。アクションカメラと言えばGo-Proだったが、水中カメラで長年の実績があるオリンパスの参入で、新たな時代の幕開けとなるか?

『STYLUS TG-Tracker』は、フィールドログカメラだ!!

『STYLUS TG-Tracker』は、フィールドログカメラと称している。これは、目の前に広がる絶景や大自然の軌跡のすべてのログと映像を記録することを意味している。『STYLUS TG-Tracker』の大きな特徴は、GPSと気圧センサー・温度センサー・方位センサー ・加速度センサーからなるフィールドセンサーシステムを搭載し高度なログを映像や画像とともに取得できることにある。水中のダイビングを例にとれば、左(下)の写真のように水中の撮影と同時に水中での時間、高低差(水深差)、水温、行動時間などが取得でき、水中での行動の一部始終をデータとして取得できグラフ化することができる。このログと撮影した映像を見れば、海中の状況が映像とグラフから把握でき、海のありのままのすがたを感じることができる。海中のみならず、ハンググライダー、モトクロス、スキーなどの動きのある軌跡データが映像と同時に取得でき今までにない楽しみ方ができるGPSや電子コンパス、加速度センサーを内蔵したアクションカメラはいくつか存在していたが、気圧、温度センサーをも搭載したのはすごい。特に気圧センサーがあることにより、撮影時の標高(高さ)や水深などを知ることができる。



さらに強度を増した耐衝撃と耐水性

『STYLUS TG-Tracker』は、私も利用している頑強なつくりで有名なオリンパスの防水デジカメ「STYLUS Tough」シリーズの防水性と堅牢性を重視するコンセプトをそのまま引き継ぎ、タフ性を向上している。30m防水、耐低温-10°、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgfと強度がアップ。水深30mまでの撮影が可能な防水性は業界トップだ。水中での撮影や泥汚れも気にしないですむ防水・防塵設計。衝撃、寒さにも強くハードなアウトドアでのアクティビティや水中や雪山での撮影に大活躍する。内蔵センサーにより、カメラを水の中に入れると自動的に水中撮影モードに切り替わる機能も備えダイバーにも魅力あるカメラとなっている。また、最大60ルーメンのヘッドライトが搭載されていて、夜間や水中での撮影はもちろんのこと、岩場の影や暗い森の中で急な撮影チャンスが訪れたときなどに威力を発揮する。ワンアクションで作動するヘッドライトの光が、被写体を素早く照射し暗闇での快適な撮影を可能にする。但し、ヘッドライトの照射時間には制限があり、20ルーメンで29分、60ルーメンで60秒しかもたない。

他社製品にない様々な機能を装備

『STYLUS TG-Tracker』Wi-Fi機能を内蔵し、取得情報と撮影した動画・写真をアプリ「OLYMPUS Image Track」を使用してスマートフォンやタブレットと手軽に連動できるようになっている(4K動画は転送不可)。「OLYMPUS Image Track」に、動画・写真とトラッキング情報を取り込むことで、それらを同時に表示・再生することができる。また、非公式なのだが付属しているグリップのハンドル部分を分離させ、GoPro用の各種アタッチメントのほとんどを利用できるのはうれしい。これある意味、最大の特徴かも?これ非公式にできない意味もなんとなく・・・と感じてしまう。さらに、市販されているアクションカメラの機能でなかなかお目にかけれない可動式モニタが搭載されている。水平方向に90度回転するだけなのだが、固定時の利用に便利だ。そしてもう一つ、4k動画撮影時にデジタル5軸手ブレ補正機能を併用できることがすごい。このクラスの製品としては初めての採用だ。

当然『STYLUS TG-Tracker』にも弱点はある。水中撮影時には、専用プロテクターを装着する必要があるので面倒との意見や動画の連続撮影時間が最大29分までなどがある。また、電源を切った直後から毎回10秒ほどログの記録をしている時間が面倒との意見もある。さらに、Wi-Fiでスマートフォンやタブレットへ4K画像を転送できないことや動画転送が遅いとの意見もある。個人的には、いづれの弱点も利点と比較すれば我慢の範囲内かと思う。個人的主観に左右される弱点ではあるが、購入する人のどこに力点を置くかで商品の良し悪しが決まると思う。個人的には、『STYLUS TG-Tracker』は、子どもと遊ぶ磯遊びやシュノ-ケリングにおすすめひとつだ。

最高のコストパフォーマンスを誇るリコー『WG-M2』


リコーの新商品アクションカメラ『WG-M2』は、『STYLUS TG-Tracker』のようにログ取得を必要としない従来のアクションカメラ分野では、抜群のコストパフォーマンスを誇る。4K対応、約114gと軽量・小型でしかも水深20メートルで時間制限無しに利用可能なタフ仕様を備えている。防塵性能・耐低温性能もあるため、さまざまな場所でハードに使う場合に適した機種で、しかも市場販売価格もお手頃。確認用モニターが上部に付いているのが他のアクションカメラと違い、撮影画像が見やすい構造になっている。撮影できる画角が、画角ワイド(204°)と画角ナロー(151°)の2種類があるのがいい。マウンターは、さほど多くはないが面白いものが多い。仕様で見る限りはおすすめの商品なのだが、悪評が多いのが気になる。

画質と実績で選ぶのならこれしかない『GoPro HERO4 シルバー』


アクションカメラの先駆社メーカーGo-Pro。『GoPRO HERO4シルバー』は、同社の4Kカメラのエントリーモデル。性能比では多少高めだが、マウンターや長時間バッテリーなどの豊富で世界中にファンがも多い。背面に大きなプレビューモニターがついているのでカメラらしさがある。このクラスでは他社にはない1200万画素で高画質を実現。メカの手ぶれ補正機能がないのは、多少弱い点だ。撮影できる画角は、超広角と通常の2種類で、周辺部を引き延ばす独自方式(Super View)の技術で映しだされた臨場感の高い映像は、高い評判を得ている。付属のハウジングを利用すれば、40m防水が得られる。4Kのフレームレートが低い点など他社より劣る点もあるが、アクションカメラが抑えるべき点はしっかりおさえている。買って損はない、定番中の定番商品だ。 アクションカメラ王者GoProの位置づけはそう簡単には変わらないだろう。




4K対応光学式手ぶれ補正が高画質を作り出すソニーの『FDR-X3000』


ソニーの『FDR-X3000』は、SONYの最新型の4K対応の新モデル。本体のみでのタフ仕様はほぼないが付属のハウジングを付けると60m防水、防塵、耐衝撃、耐低温性能を得られるようになっている。『FDR-X3000』の大きな特徴は、4K対応の光学式手ぶれ補正を搭載していることで、高い画質レベルとなっている。マウンターの種類も、Goproに次いで豊富。ソニーらしく音声録音は、ステレオマイク搭載で、かなりの臨場感が得られる。本体の背面にモノクロの極小モニターが付くが映像の確認はできないので、オプションのライブビューカメラで見ることになる。撮影できる画角は、35mmカメラ換算で17mm・23mm・32mmで超広角のワイド写真に対応する。『FDR-X3000』は、カメラらしい機能を満載しているアクションカメラだ。



2016年夏、Shizengateが考える海中で使えるアクションカメラの選択

海中で使えるアクションカメラのおすすめを選ぶとすれば、Youtubuやプログなどでログ機能を利用した映像が欲しいのならば水中カメラで長年の実績がある『STYLUS TG-Tracker』がおもしろい。 『WG-M2』は、防水性能、液晶の位置、取り扱いの観点から価格帯性能比(コストパフォーマンス)が一番高いので一押しにしたいのだが、実際に利用している人からの評価が低い。この2機種に共通していることは、ハウジングなしで海中で使えることが一番のポイント。海中撮影でハウジングなしで利用したい人はこの2機種からの選択だろう。しかし、いづれの機種も水中撮影をするときには、レンズ部分に水中プロテクタをつけなければならないのでハウジングありとさほど変わらないと思う。多少高価なのだが無難なのは、『GoPro HERO4 シルバー』だろう。手ぶれ補正などの機能はないが、きれいな画質、撮影時間、マウントの多さなど他社と比較すると優れている部分が多い。買って損はない商品だ。『 SONY FDR-X3000』は、表面的な仕様では他社とあまり変わらないような気がするが、4K対応の光学式手ぶれ補正機能が優れていて、きれいな画質、広角画像の周りのブレ、スマートフォンなどへの転送速度など目に見えない部分がしっかり作られている。アクションカメラでの一押しは『 SONY FDR-X3000』なのだが、海中で撮影する場合『 SONY FDR-X3000』は、液晶画面がないので撮っている画面が見れない。画面を見ながら水中で撮影したい場合は、『STYLUS TG-Tracker』『GoPro HERO4 シルバー』『WG-M2』しかない。さらに、水中でのハウジングを付けたくない人は、『STYLUS TG-Tracker』『WG-M2』になる。Shizengateの結論としては、水中アクションカメラとしては、『STYLUS TG-Tracker』、画質優先ならば『GoPro HERO4 シルバー』だろう。
今回は、海中で使えるアクションカメラを考えみたが、どのアクションカメラにも良し悪しがある。選択する上で大事なことは、自分が何をファーストプライオリティにするのかを決めておくことが重要だと思う。

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