2017年度 ファミリーキャンプのテント選び

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さまざまな種類のテントが並ぶ(奥飛騨温泉郷オートキャンプ場:2017/05/05)

2017年度も各メーカからさまざまなテントが誕生している。多種多様なテントの中から自分のスタイルに合ったテントを選ぶのは大変。今回は、ファミリーキャンプを目的としたテントをShizengateの独断と偏見で選んでみた。みなさんのテント選びの参考になれば幸いです。

テントは、キャンプ用品の中で非常に重要な道具。インターネットでさまざまなテントの比較を見ますが、そのほとんどが記述側の事情や立場に沿って比較されていることが多い。また、メーカーもその年の販売重点用品を過剰表現していることも多い。これらの情報をこまめに取集し真の情報を得ることが、情報過多の現代に必要なことではないかと思う。テント選びの最終判断は、購入者の意向と意思が一番大事で、購入者の環境によってその人の良いテントはさまざま。自分で決めることが一番大事であることをはじめに憶えておいて欲しい今回紹介する内容が、これからテントを選ぼうとする人の役に立つ情報となればうれしい。テントは、しっかりと選べば10年は楽に使える息の長いキャンプ道具。また、テントは毎年買い替えるものでもなく、購入に十分な検討期間を要しても損することはないと思う。

テント選びのポイントと今回の選択要因

テント選びのポイントは、いろいろな要因、要望があるかと思う。テント選びをするには、どの要因や要望が自分に必須なのか、どの要因と要望が削れるのかを自分自身に問いかけることからはじまる。

① キャンプスタイル(用途)

テントを購入する際に一番大事なことはキャンプスタイル(用途)の決定。ここで言うキャンプスタイルとは、ファミリーキャンプ、グループキャンプ、ソロキャンプ、ツーリングキャンプ、登山キャンプなどどのようなキャンプ用途なのかを言う。購入しようと思うテントが、どのようなキャンプスタイルで一番多く利用するのかをまずはじめに考えてみよう。 今回のShizengateテント選びでのキャンプスタイルは、ファミリーキャンプをとしました。

①キャンプスタイル(用途)

ファミリーキャンプ

ファミリーキャンプの画像01

ファミリーキャンプは、オートキャンプの代名詞的存在でファミリーで楽しむキャンプ。子どもがいる家族 3~5名で楽しむキャンプスタイルで、基本的に家族が子どもと共に楽しめるキャンプスタイルが中心となる。

グループキャンプ

ファミリーキャンプの画像01

グループキャンプは、大勢の人たちで楽しむキャンプスタイル。いくつかの家族が一緒にキャンプを楽しんだり、友達などのグループでのキャンプスタイルを言う。多くの人たちが集まれるリビング空間の確保などが必要になります。

ソロキャンプ(山岳)

ファミリーキャンプの画像01

ソロキャンプは、一人でキャンプを楽しむスタイルのキャンプです。山岳キャンプも大きくはソロキャンプの一つかと思います。しかし、山岳キャンプは、厳しい天候に耐えられる強度や持ち運びに便利な軽量な道具など機能重視になります。

ツーリングキャンプ

ファミリーキャンプの画像01

ツーリングキャンプは、大勢の人たちで行く場合も基本一人で寝るテントを利用するスタイルが多いです。バイクに積むので小型、軽量の道具が中心になります。

ハイスタイルキャンプとロースタイルキャンプ

従来は、「ハイスタイルキャンプ」しかなかったのですが、ここ数年で「ロースタイルキャンプ」を楽しむ人をよく目にするようになりました。ロースタイルキャンプとは、キャンプサイトで地面により低い場所に目線を持ってくるように、テーブルや椅子などを設置するキャンプスタイルです。より地面に近いことで、自然と一体化しているような感覚が味わえることが魅了です。今回のShizengateテント選びでは、ファミリーキャンプスタイルと言うことで、子どもが動きやすいハイスタイルキャンプとしました。

ハイスタイルキャンプ

ハイスタイルキャンプの画像05

ハイスタイルキャンプは、普段利用しているテーブルや椅子のように脚の長いテーブルを中心としたキャンプスタイル。調理などの作業を立ったままででき、人の移動もしやすい一般的なキャンプスタイルです。

ロースタイルキャンプ

ロースタイルキャンプの画像06

ロースタイルキャンプは、地面を身近に感じることができキャンプスタイル。低い椅子やテーブルからなりタープ内などの空間を広く使うことができます。足の短いアイテムが多いのでコンパクトに収納できるというのも特徴です。


② テントサイズ

キャンプスタイルが決まれば、テントの利用人数に目途がつくと思います。利用人数によってテントの大きさを決めます。使用人数 + 1人分の余裕がサイズの目安です。一般的には、4名のインナーテントの床サイズは、270cm×270cm以上が理想と言われています。今回のShizengateテント選びでは、大人2名、小学生2名を想定し大人4名用~5名用のテントサイズとしました。

③ テントの形

テントの形もさまざま。ドーム型、ツールーム型、カマボコ型、モノポール(ティピ)型、ロッジ型、ワンタッチテント型など多くの形のテントがあります。2017年度は、ツールーム型テントに人気が集まっています。今回のShizengateテント選びでは、人気のツールーム型ではなく一般的なドーム型を選びました。ツールーム型は、タープを利用することなくテントとリビングが確保できる高い利便性が人気の一つなのですが、必要とするサイト面積が広く、一人で設営するには難しいツールーム型テントが多いのが実情です。Shizengateが選ぶファミリーテントは、さまざまなサイト環境に対応できるフレキシブルなキャンプスタイルを実現するためにテント+タープを基本スタイルとしているので、今回はあえてドーム型にしました。

③テントの形

ドーム型テント

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ドーム型テント
Colemanタフドーム/2725 icon

ドーム型テントは、数本のポールをクロスして自立させたインナーテントに、フライシートを被せる構造で、慣れれば一人でも設営できるテントです。初心者から上級者まで幅広く使用されているテントの定番です。リビングスペースがないので、日差しや雨を防ぐリビングが欲しい場合はタープやシェルターなどを使うことになります。小型・軽量・設営の簡易さに重点を置いたテントです。

ツールーム型テント

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ツールーム型テント
スノーピーク タシーク icon

ツールームテントは、リビングスペースが追加されたテントで、テントとタープが一体化しているのが特徴です。寝室とリビングが近いためファミリーキャンプや大人数でのグループキャンプに重宝します。構造上、シートが大きくポールも多く設営がやや大変ですが、雨の撤収時でもインナーが濡れないなどのメリットもあります。使い始めは、設営が難しく時間を要し、持ち運びも重く感じると思います。

カマボコ型テント

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カマボコ型テント
D.O.Dカマボコテント2 icon

カマボコ型テントは、2016年に販売されて以来、大人気のテントです。リビングスペースが広く、さらに5つのドアをポールで立ち上げて使えば、開放的な空間がつくれるのが魅力です。インナーテントには家族5人が泊まれる広さを持ち、特にドッペルギャンガーのカマボコ型テントは大人気で入手が困難な状態が続いています。

ワンポール(ティピー)型テント

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モノポール(ティピ)テント
ロゴスTepeeナバホ400 icon

モノポール(ティピ)型テントは、1本のポールで構成されていて設営が楽なのですが、テントの中心部分を持ち上げるのに若干コツがいります。おしゃれな外観を持ちビジュアルにこだわりたい派におすすめです。元々は、インディアンが使っていたティピーがベースになっているのでティピー型とも言われています。

ロッジ型テント

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ロッジ型テント
小川キャンパル ロッジシェルターII icon

ロッジ型テントは、小屋の形に由来する名前のロッジ型テントです。パイプで骨組みを作り、そこにアウターテント(フライシート)を被せ、インナーテントを吊るして設営します。ロッジ型テント一つで寝室、リビング、テラスをしっかりと確保できるのが特徴で居住性に優れています。天井も高いので大人でも立って移動ができます。しかし、かなりのスペースを必要とし重量があり設営にも時間がかかるというデメリットを持ち今ではほとんど販売されていません。

ポップアップ式型テント

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ポップアップ式テント
Quechuaポップアップテント icon

ポップアップ式テントは、最も手軽に設営できるタイプのテントです。平均数秒で、テントが立ち上げるタイプがほとんどです。設営時間を大幅に短縮することができます。ケースから出したらテントが勝手に開いて自立するようなものです。悪天候の中での適応性が劣っている物もあり結露や浸水しやすいテントもありますので注意が必要です。個人的には、ソロテント用として利用できるものもあり、用途によっては重宝かと思います。

④ 性能

テントの性能面も、テント選びに重要なポイントとなります。今回は、テントを選ぶ時に考えるべき性能面を紹介します。ここでは、テント選択に必要な性能を通気性、設営・撤収性、居住性、耐水性、耐風性、耐久性と6つに分けてみました。また、各メーカーがアピールしているさまざまな機能も性能の一つかと思います。

④テントの性能

通気性

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ベンチレーションシステム

テントの通気性は、特に夏場に重要視される性能面です。出入口のドア部がメシュになっているのは必須ですが、フライシートとインナーテントにベンチレーションが備えられているテントは通気性が良いテントです。通気性が悪いテントは、夏などには蒸し暑く結露の原因となります。逆に春秋などは通気性が良いと寒くて寝れないこともあります。通気が制御できるテントが良いテントとなります。ColemanタフワイドドームIV/300 iconは、インナーテントの下にもベンチレーションが備えられテント内のこもった空気を外にはき出しテント内の空気循環を促すサークルベンチレーションシステムになっています。

設営・撤収性

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一般的なドームテントの立て方

設営・撤収のしやすさも、性能の一つです。ファミリーでも一人でテントを立てなければいけないような場合には、この設営のしやすさがキーポイントになります。今年人気のツールームテントは、一人で立てられる物はほぼないと思います。設営のしやすさは、設営・撤収に要する時間の短縮につながります。写真は、一般的なドームテントの立て方でD.O.D(ドッペルギャンガーアウトドア)のプレミアムワンタッチテントiconの立て方です。耐久性などの面で若干劣る点もありますが最近では、設営・撤収が簡単で瞬時に完了するポップアップテントやワンタッチテントにも人気があります。

居住性

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居住性が高いツールームテント

テントの居住性は、人によってさまざまなかと思います。居住性が高いテントは反面、設営や撤収に時間がかかったり持ち運びの重量が重かったりします。広さは、ほぼ目的の人数に左右されますが居住性のポイントはテントの高さにあります。テント内では寝るだけでなく、立ち上がって着替えなどが行える高さが欲しいかどうかがテント選択を左右します。天井が低いと行動が制限され圧迫感も出てきます。ほとんどのドームテントが150cm前後で、人が立てる170cm以上のテントは、ドーム型でも大人数用の物になります。 写真は、高さがある Colemanのラウンドスクリーン2ルームハウス iconです。

耐水性

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耐水性

耐水性能は、耐水圧数値で判断します。急な雨などに耐水圧が低いテントは、内側に水がしみてきて荷物が濡れてくるという状態になります。特にフライシートの耐水圧の数値は気にしたい数値です。テントでは最低、強い雨でも耐水圧が1,500mmあれば雨をしのげます。2,000mm以上あれば安心領域です。耐水圧が高ければ高いほどいいというものでもなく、生地自体の通気性が悪いと結露の原因にもなります。防水性と通気性のバランスが良いテントが一つの目安になります。 写真は、ポップアップテントで人気があるQuechua (ケシュア) 2 Seconds FRESH&BLACK icon の耐水性試験です。 耐水性能と言う観点では、浸水に対するテントの底生地材質も重要になります。長時間水にさらされるとポリエステルタフタのテント底だと水が浸みてきます。高性能のテントにも使われていますが完全防水ではありません。安いテントでは、PEシートが使われています。PEシートは、防水性能が高い合成樹脂ですが、縫い目から水が浸みる以外は水を通すことがほぼなく通気性に劣ります。また、雨漏りの多くは縫製部分から発生するので縫製部分のチェックは必須になります。

耐風性

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ドームテントの風の流れ

耐風性は、テントの風に対する強さです。テントが大きくなると風の抵抗も大きくなります。テントは、大自然の中で風から身を守ってくれる構造でなければいけません。各社が様々なデザインで耐風性能を上げていますが、数値的なものもなくメーカーの説明を信じるしかない部分があることも事実です。写真は、スノーピークのアメニティドームシリーズiconの風の流れです。アメニティドームは、地上高を低く設計し風のダメージを緩和し風が流れていくように設計されています。強風時は、張り綱と本体をしっかりとペグダウンしておくことは必須です。耐風性は、耐久性にも大きく影響してきます。

耐久性

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ロゴスジュラルミンポール

テントの耐久性は、大きくは骨格であるポールの強さとテントの生地です。特にポールは、耐風性や壊れにくさに大きく結びつきます。また、ポールや生地の材質の良し悪しは、価格にも比例します。ポール材質は、安価で丈夫なFRP(グラスファイバー)が一般的に多く使われていますが割れる場合があると言う欠点もあります。丈夫だが重いスチール、他と比べるとあまり丈夫でない繊維強化プラスチックなどもあります。高いテントや強度が必要な山岳テントには、軽くて強度があるジュラルミン(アルミニウム合金)などが使われています。 テント生地の主な素材は、ポリエチレンラミネートクロス(PE)シート、ナイロン、ポリエステルです。ほとんどのテントは、ポリエステルです。PEシートは耐久性に物足りないですが、価格の安さが魅力です。逆にナイロンやポリエステルは耐久性に優れていますが、高価になります。

⑤ ブランド

ブランドも、テント選びに大きな影響を与える要因だと思います。自分の好きなブランド、他のキャンプ用品と同一のブランドの中から選ぶのも一つの方法かと思います。特に、アフターフォロー(保証や修理、サポート)などが充実しているブランドは人気があります。形や好みも、色の取り扱いなど性能面とは違った観点もテント選びの大きな要因となってきます。

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